極彩色の夏 | ウタカタ
霧のように降りしきる
冷たい雨
じわじわと私の靴を濡らした
夏の終り
七月
蝉が長い眠りから覚めるように
私は自分の殻から這い出し
たくさんの人に巡り合った
本当の私が生まれた夏
毎日見る夏の景色は
蝉の声と
極彩色の光に照らされて
街の彩度が
ギラギラと上がっていた
アスファルトは白く反射し
慌ててさした日傘も役に立たない
背中を流れる汗
握ったハンカチ
声を立てて笑った
肩を震わせて泣いた
たくさんの失敗をした
いくつかの手芸をした
蝉たちが鳴かなくなってしまっても
この夏の景色が
私の心から色褪せることは
決してない


