初夏の陽射しに照らされて
タンポポは
お日さまのような黄色い花から
柔らかい白い綿毛へと変わった


夏の陽射しが降り注いだ昼下がり
うさぎの毛のような綿毛は
風にのって旅に出た



風に
ただ流される

ひとりぼっちの
行き当たりばったりの
旅だった



最初にたどりついたのは

ビルの屋上

ビルの屋上から

猫の背中へ

猫の背中から

用水路の脇へ

用水路の脇から

建物と建物の隙間へ








綿毛は
ビルの隙間の
わずかな土に横たわり

根を下ろした



綿毛はいつしかタンポポになり
陽の当たることのない場所に

お日さまのような
花を咲かせた

与えられたわずかな土に

精一杯の花を咲かせた







タンポポになった綿毛は
願った






せめておまえたちは
陽当たりの良い丘に
根を下ろして欲しいと願って



消えていった







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