ハチ公。
午前中はみんなでママばぁばの実家へ。
夕方近くになって、パパに子供達をお願いして、ママじぃじが入院前まで働いていた職場へ行った。
じぃじが、元気になったら自分で持って行くつもりだった制服を返して、
置きっ放しにしてきた私物を取りに行った。
じぃじはもともと板前で、職を転々とはしていたものの、包丁だけは放さなかった。
最後の職場は病院の厨房で、入院患者の食事を作っていた。
そこで使っていたじぃじのmy包丁を受け取り、お世話になった方々に挨拶をした。
帰り道の信号待ちのひと時、ふと荷物の中の、じぃじが使っていた包丁に目をやる。
もうこの世に持ち主はいない。
人が手に取る事で、やっとその役割を果たす事の出来る包丁が、
命がある訳でもないたかが包丁が、
まるで忠犬ハチ公の様に思えて、
少しだけ涙が浮かんだ。
夕方近くになって、パパに子供達をお願いして、ママじぃじが入院前まで働いていた職場へ行った。
じぃじが、元気になったら自分で持って行くつもりだった制服を返して、
置きっ放しにしてきた私物を取りに行った。
じぃじはもともと板前で、職を転々とはしていたものの、包丁だけは放さなかった。
最後の職場は病院の厨房で、入院患者の食事を作っていた。
そこで使っていたじぃじのmy包丁を受け取り、お世話になった方々に挨拶をした。
帰り道の信号待ちのひと時、ふと荷物の中の、じぃじが使っていた包丁に目をやる。
もうこの世に持ち主はいない。
人が手に取る事で、やっとその役割を果たす事の出来る包丁が、
命がある訳でもないたかが包丁が、
まるで忠犬ハチ公の様に思えて、
少しだけ涙が浮かんだ。