今回もオリジナル万葉和歌九首を新たにご紹介します。
私自身未だ修行中の身ですので、おかしな点があるかもしれません。
ご了承くだされば幸いです。
引き続き「末の戀ひ」と題したオリジナル和歌をご紹介します。
「末」には未来、最後といった意味が込められています。
「戀」は恋の旧字体で、「戀ひ」は連用形が名詞化された形となります。
私が詠んだ和歌は青色で表記いたします。
書き下し文→万葉仮名→現代語訳の順でお送りします。
また、今回詠んだ九首はいずれも二句切れか四句切れとなります。
それではやっていきましょう。
末の戀ひに思ひを寄せたる歌九首
【百四十五】
春されど 逢ひかね寂し ぬばたまの 夢にだに見が 欲しき妹かも
春雖去 相不勝不怜 烏玉乃 夢爾谷見 欲寸妹鴨
せっかく春が来ても会えなくて心は寒く寂しい。せめて夢だけでも会いたいと願うあなたよ。
【百四十六】
かたはらゆ 離るそ惜しき 別れこそ 胸に消殘れ 沫雪の如
從傍 離曾惜寸 分社 胸爾消遺 阿和雪如
そばから離れることが惜しいことよ。この別れが胸に消え残る。沫雪のように。
【百四十七】
限り無き 空の彼方 いづくにか 妹は居るらむ 背を向けてより
無限 空之彼方 何所爾可 妹者居良武 背乎向而從
果てない空の彼方、どこにあなたはいるのだろうか。私に背を向けたあの時から。
【百四十八】
せむ方そ すがらにあらぬ 訴ふる 術は歌のみ 詠み渡りなむ
將爲方曾 須我良爾不有 訴 爲便者歌耳 詠度南
ずっとどうしようもない。訴える方法はただ一つ和歌を詠むだけ。きっとこのように詠み続けるのだろう。
【百四十九】
千萬に 見とも飽かむや 然れども ただにそ見えぬ 恥ぢ餘るゆゑ
千萬爾 見友將飽八 雖然 直爾曾不所見 恥餘故
千万回見たとしても飽きない。とはいうものの直視できないことよ。恥ずかしさが邪魔をするので。
【百五十】
むせひ泣く 緑子の如 ますらをが 涙そたぎつ もののふじもの
咽泣 緑子之如 大夫之 涕曾多藝通 物部自毛能
むせび泣く幼子のよう。立派な男の涙が流れる。武士ともあろうものが。
【百五十一】
海原の 遙けき思ひ なづさはふ 覺えそ探る こと去る戀ひを
海原 遙念 奈都佐波布 覺曾探 事去戀乎
大海原のような遥かな思い。漂い続ける記憶を辿る。かつての恋心を。
【百五十二】
逢はぬ日や 平けしらむ 請ひ願ふ 吾を思ひて あり渡らなむ
不相氣哉 平良牟 乞慕 吾乎念而 在度南
会わない日々を無事に過ごしているだろうか。どうかわたしを思って日々を送ってほしいなあ。
【百五十三】
春日來ば 逢ひかつるかも 見えぬ時 覺えそ巡り 夢さへ見つる
春日來者 相勝流鴨 不所見時 覺曾米具利 夢副見鶴
春が来れば会えるのかなあ。会わない時、記憶が巡り夢にまで見たあなたよ。
過去記事のリンクを貼っておきますのでよろしければご覧ください
【和歌】万葉歌・末の戀ひ【オリジナル】 | TOSHI‘s diary
【和歌】万葉歌・末の戀ひ 二【オリジナル】 | TOSHI‘s diary
【和歌】万葉歌・末の戀ひ 三【オリジナル】 | TOSHI‘s diary
【和歌】万葉歌・末の戀ひ 四【オリジナル】 | TOSHI‘s diary
【和歌】万葉歌・末の戀ひ 五【オリジナル】 | TOSHI‘s diary
【和歌】万葉歌・末の戀ひ 六【オリジナル】 | TOSHI‘s diary
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【和歌】万葉歌・末の戀ひ 十【オリジナル】 | TOSHI‘s diary
【和歌】万葉歌・末の戀ひ 十一【オリジナル】 | TOSHI‘s diary
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【和歌】万葉歌・末の戀ひ 十四【オリジナル】 | TOSHI‘s diary
【和歌】万葉歌・末の戀ひ 十五【オリジナル】 | TOSHI‘s diary
【和歌】万葉歌・末の戀ひ 十六【オリジナル】 | TOSHI‘s diary
今回は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。
ではでは皆さんまたお会いしましょう。




