【煙幕】
俺のダメージは絶大だった。
体力は限界に達していた。
残された力を振りしぼり、奥へ奥へと進んだ。
少し行くとエレベーターがあった。
罠か・・・?
考えている暇は無い、俺はエレベーターに乗った。
エレベーターのボタンは2Fまでで、俺は迷わず2Fを押した。
グヲン。
ケタタマシイ音と共にエレベーターが動き出す。
ガコン。
エレベーターが止まり、ゆっくりと扉が開いた。
その時だった。
ビュッ。
突然俺の鼻先を何か刃物のような物が掠めた。
ザクッ。
エレベーター後ろの壁に突き刺さった、はもののような物は綺麗な一輪の薔薇だった。
「まってたわよ!ミニー」
その声は!
俺の前には黒いドレスに黒いヒール、のキミーがいた!
「あたいは爆裂お花のキミー!あんたの命頂戴するわよ!」
キミーは俺に挑発的は視線を投げかけてきた!俺は思わず携帯の写メで激写した。
パシャ!
WHY?
「あんた何すんのよ!あたいは写真を取られると魂が吸い取られるっていう事を信じてるくちなのよ!」
キミーは激怒し俺に攻撃を仕掛けてきた。
「くらいな必殺!しこふんじゃった!」
突然キミーはしこを踏むポーズで俺に迫ってきた!
おら・おら・おら
俺はキミーのケツに顔面をぶつけ、吹っ飛んだ!
「ぐわ~。。」
「はははははっ!どうだいあたいの奥義は!」
俺は意識が遠くなるのを感じた。
しかしその時、俺の頭にある声がした。。。
「ミニーさん!だめだ、だめだ、だめだ、だめだ、こんな所で倒れちゃだめだ!」
間違いなくその声は6億ターブのあの声だった。
「ミニーさん。僕の仇を取ってくれるんじゃなかったのですか?最後まであきらめちゃだめだ!さぁ戦って下さい」
俺は体に力が漲るのを感じた!
よしいっちょやってやっか!
俺はむっくり立ち上がった!
「なにぃ!あたいの攻撃を受けて立ち上がるとはなんてシブトイ奴なの!もう一回しね~!」
再度キミーのお尻が飛んでくる!
俺はこの攻撃の瞬間を見逃さなかった!
「食らえキミー!俺の必殺!肛門圧死天中殺!」
俺は渾身の力を込めてキミーの尻にかんちょうをした。
浣腸とは
本来の医療行為としての浣腸(主に排便の促進等を目的とし肛門から液体を注入する行為)とは異なる目的で、スカトロ・SM等の性癖を持つ愛好家によってセックスや自慰行為の手段として行なわれる性的嗜好を満足させるための浣腸行為を指す。エネマプレイとも呼ばれる。
浣腸を用いたプレイではしばしばアナルストッパーなどと呼ばれる器具を浣腸後肛門に挿入し我慢させる事が行われる。外部から挿入するだけのタイプであれば圧力が高まれば排泄可能であるため大きな問題にならないが、これを外部から押さえつけたり、挿入後空気を送り込む物を使用し、自力での排泄を不可能にした場合、被浣腸者の体力の限界を超えた場合でも排泄できなくなり、使用する薬剤によっては、脱水症状、貧血、溶血、腸内の炎症による出血など、健康に多大な被害を及ぼす。また、腸内で突然圧力が高まった場合でも排泄できないため腸に甚大なダメージを与え、場合によっては死に至る場合もある。使用する薬剤によって異なるが、薬局などで購入できるディスポーザブル浣腸を通常の量(2つまで)使用した場合、大まかな目安として我慢させる時間は5~10分程度にとどめるべきである。平気に見えても突然体調が変化することもあるため、十分注意し限界を超えて我慢させないように配慮する必要がある。
明名書房館「お尻とお尻でお知り合いといったのは“KAJIRIMUSI”」より抜粋
「ギャ!」
悲鳴と共にキミーは昇天した。
「キミーすまない。レディーに対して・・・」
俺のハードボイルド魂とは反する行為を俺は素直に詫びた。
死因:腸の炎症
しかし俺のダメージも相当だった。
俺はその場に倒れ、意識を失った・・・・・・・
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箱根の旅行から帰って来たタカー。
仕事にも手がつかず、ナルフィーの葬儀のも出席せず、ただボーッと毎日を過ごしていた。
「ミニー・・・」
ふっと口をついて出るのはミニーの事ばかりだった。
自分が自分である為に、そして生きる意味を問うてばかりの自分に憤慨し、困窮したこの俗世間のしがらみに振り回され、愛する人を守れない悲しみをタカーは嘆き・苦しみそして病んでいた。
ある日の帰りだった・・・
「あんたタカさんだよね?」
不意に声をかけられ振り向いた。
そこには見知らぬ男が立っていた。
「あんた誰だ?」
タカは吐き捨てるように言った。
「俺は広島の奥地で仙人みたいな暮らしをしているミスターと言う。あんたに話があってきた。」
「ミスター???」
聞いた事の無い男にたじろぐタカ。
するといきなり、ミスターはローキックを放ってきた。
間一髪でかわしたタカ・
「何をする!」
何も言わずにミスターは延々ローキックを放ってくる。
3割位がタカの左足にヒットした。
タカの左足は腫れあがり、しだいに動きが鈍くなっていく。
「こんなもんかよタカってのは!ミニーが今頃泣いてるぜ!」
「何?おいもう一回言ってみろ!お前ミニーを知っているのかい?」
タカは激しく動揺した。
「何度でも言ってやるよ!今のお前の姿を見たらミニーは今頃泣くだろうよ!」
そういうと同時にミスターのキックが顔面に飛んだ!
ガシッ
クロスガードでミスターのキックをガードしたタカ。
「ミスター!お前に俺とミニーの何が分かるっていうんだ~!!!」
怒りの形相でタカがミスターに殴りかかる。
かわすミスター。
先ほどと形成は逆転した。
しかし、ミスターの身のこなしは素晴らしく、一発もヒットしない。
しかしタカは今までの鬱積した気持ちを爆発させるかのように殴りかかる。
1時間後・・・・
「タカ!お前の事はよく分かったよ!さぁ飲みに行こう!積もる話がある」
へばった力の無いパンチがはじめてミスターに当った時にミスターは言った。
そのばにへたり込むタカ。
ミスターはタカを抱きかかえると、近くの居酒屋「居酒屋 夢道楽」へ入店した。
二人は生ビールを頼むと、しばし沈黙した。
生ビールが到着し、形式だけの乾杯をすると二人は一気にビールを空けた。
「おかわり!」
注文するタカ。
飲み干す二人。
「おかわり!」
注文するタカ。
飲み干す二人。
そうこうして二人が16杯目のビールを飲み干した後、ミスターが突然口を開いた。
「タカよ、さっきは悪かった。ミニーと俺の出会い・そしてミニーは今どうしているか、全てを語るよ」
こうして、ミスターはとつとつと話始めた。
ミニーが広島にいること。
鎖帷子をみにつけていたこと。
リーダーの罠にはまっている事。
タカはあふれ出る涙をぬぐうのに苦慮していた。
「これで俺が知っているミニーの全てさ。そして俺は無一文さ」
衝撃だった。
ミスターは文無しだった・・・
残念な事にタカも持ち合わせが83円しかなかった。
ミニーの事より店からどうやって出て行くか?
最大の難問にぶち当たった。
とりあえずミニーの事は置いといて、二人は飲んで食ってを繰り返した。
「すいません。閉店の時間です。お会計お願いします。」
ついにその時はやってきた。
お会計は4万4千678円。
手持ちは83円
差し引き-4万4千595円
まずい。
どうやっても足りない。
そのときだった。
ミスターが懐から黒光した玉を取り出した。
そしてそれを投げつけると、黒煙が舞い上がった。
「タカ逃げるぞ!」
聞こえるミスターの声。
しかし前が見えない!
タカはなんとか店の外に飛び出し、全速力で駆け抜けた。
無我夢中で走った。
走りきってふと考えた。
ミスターは?
踵を返し、現場に戻ったタカ。
すると・・・・・
パーーーーーーーーーーーーーーーン
乾いた銃声が鳴り響いた。
倒れているのはミスターだった。
そう、自分で煙玉を投げながらも、ミスターは逃げ遅れていたのだ。
そして店の店員に暴力。
駆けつけた警官に暴力。
野次馬に暴力。
そして射殺。
タカは思わずミスターに駆け寄った。
「ミスター!」
ミスターはうっすら目を明けるとタカに言った。
「タカ・・・広島に行け。。ミニーが待っている。」
そういうと、ミスターはゆっくり目を閉じた。
「ミスターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
死因:射殺
タカは決意を新たにした。そうだ広島に行くんだ。
やっと俺は生き返れる。
そう思った瞬間。
「確保!」
20名からの警官に押さえつけられた。
「無銭飲食・器物破損の容疑で逮捕」
無表情な警官に押さえつけられた。
そうして、タカはブタ箱に送られた・・・・・
ブタ箱とは
留置施設いわゆる留置場(りゅうちじょう)とは、都道府県警察に設置され、警察法及び刑事訴訟法の規定により、都道府県警察の警察官が逮捕する者または受け取る逮捕された者であって留置されるもの、刑事訴訟法の規定により勾留されるもの、法令の規定により留置施設に留置することができることとされる者を収容する施設をいう。留置所(りゅうちじょ)と呼ばれる事も多いが俗称である。 収容の目的は、被留置者の逃走及び罪証隠滅の防止である。
通称生清ハウスともいう。
明名書房館「ナルさんがベストを着ている都市はBUTABESUTOというのか?」 より抜粋
ミニーはいまだ眠っている・・・・
次回【対面】に続く・・・