【魍魎】

警視庁公安部

・・・・・・・

公安は数ある警察任務のなかでもスパイや思想犯、思想・宗教絡みの組織犯罪といった非常に特殊な犯罪を対象としている。 警察組織の一部というよりも外国でいう情報機関に近い活動を行う。警視庁公安部や各道府県警察公安課・外事課の頂点、すなわち総司令部が警察庁警備局で、全国の公安警察を一元的に管理しており、警備局の指揮の下、警視庁公安部、各道府県公安部門が動く。任務内容が警察内でもとりわけ特殊で秘匿性が強いので、マスコミやメディアの前には表だって登場しない。


警視庁公安部一課長タカ・中山、韓国人の父とアメリカ人と日本人のハーフの母を持つ最年少で警視庁公安部一課長のポストに上り詰めた男。

部下からは「おたかさん」の愛称(元社会党土井たかこと同じ)で親しまれ、人望も抜群である。

身長1m83cm、体重72キロの、見事に引き締まったボディをアルマーニのスーツで身を包む。

オタカが関わった事件は今までで99。内解決済みが98。99戦98勝1敗。

「佐々木・・・・」

5年前のあの事件は今でも脳裏に焼きついてはなれない。

大掛かりな麻薬シンジケートを追っていたタカは、壊滅一歩手前でリーダー・佐々木を取り逃がした、

当時同じ部署でせめぎあいをしていた、コードネーム「ミニー」はその事件依頼姿を消した。。。


タカ&ミニーといえば、警視庁でも選ばれた者しか受講できない「事件技術管理士」の免許を取った、エリート中のエリート、たとえるならイズミモトヤと同格。

あの事件は今でもタカの心の隅で燃え滾っており、今なおリーダーの消息を追っている。


「おたかさん!」

公安部でタカが信頼をよせる部下ナルフィーがものすごい剣幕で近寄ってきた。

「髪を切れ髪を!お前は何回言ったらわかるんだ!」

タカの怒声が飛ぶ。

ナルフィーは、何のスポーツの心得も無いが、ポニョッっとした体格と、何もバンドの心得は無いが、ロッカー顔負けのロン毛が特徴のデブだ。

「それより、おたかさん大変です。トチーが捕まりました!しかもミニーさんも一緒です。」

「何!」


タカは5年前に姿を消したミニーの行方を追っていた。

3年前渋谷管内にミニーがいると言う情報を聞きつけ、部下のトチーを潜入させていたのだ。

ミニーを張っていれば、必ずリーダーが現れる。タカの予言は的中した。


「トチーから連絡があり、ミニーさんの様子がおかしいとの事でした。私とトチーはミニーさんの後を

追いました。すると、あのリーダーが現れ、ミニーさんが捕まっていました。隣には大男と得体の知れない女がいました。トチーは私に「おたかさんに伝えてくれ」と告げ、中に入って行きましたが、ものの数秒でボコボコにされていました。」

「おたかさん!トチー弱すぎます!」

「うむ。。とにもかくにも現場に急行だ。あと、周りの道路全て封鎖しろ!リーダーを袋の鼠にするんだ!」


現場の倉庫は川崎ファズ近くにあった。

倉庫を数十台のパトカーで取り囲み、全員に拳銃所持命令を下した。

「いいかお前ら、何があってもリーダーを捕まえるんだ!このタカが全責任を取るから、仲間は全員皆殺しにしろ!」

「こんなおたかさんを見るのは初めてだ・・・」

ナルフィーは緊張で体が硬くなるのを感じた。

「突撃だ!」

機動隊・刑事等総勢200名が一斉に倉庫内になだれ込んだ!

しかし・・・・・


そこには、張り付けられて息を引き取ったトチーがいた。。。

「トチーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

タカは声にならない声で叫んだ。

トチーは・・・・・




カトリック陰謀事件で晒しものにされるタイタス・オーツ



こんな状態だった。

トチー後ろの壁には、血糊でこう書き記してあった。

「タカ!次はお前だ!ミニーは預かった!ゲームをしよう。これは命を懸けたゲームだ!ルールは簡単だ!

俺はある場所に爆弾をしかけている。24時間以内に回収しろ!それがゲームだ。おっと回収作業はお前とミニーの二人でやれ!ミニーはすでに探してるよ。ヒントは「しっぽとかちく」

タカは時計を見た「12:00」

タカは全員に退去命令を出し、一人思案した。

「12時間以内に爆弾を撤去する。ヒントは「しっぽと家畜」・・どこだ?とりあえず時間がない!急ごう」

タカと他200名の警官はトチーをそのままに、倉庫を後にした。 ※外からキッチリ鍵もかけた。


プルルッルウルルルル

タカの携帯が鳴った。

「タカだ!」

「ナルフィーです。」

「どうした?

「おたかさん、レインボーブリッジ封鎖できません!」

プチッ。

タカは電話を切った。


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目隠しをされて、気どこか知らない場所で全裸で口にピンポンをくわえさせられ、後ろ手に縛られた状態ですてられた。

「爆弾の撤去・・・」

リーダーとのゲームが始まった。しかし、トチーが気になる、あの後俺はイシナダに車へ乗せられ、ここにつれてこられた。倉庫内はキミーとリーダーとトチー。最後に親指を立てて俺に

「僕もがんばるから、ミニーさんもガンバ!」

と言ったトチー。。。


とにかく俺は24時間以内に爆弾の撤去とトチーの救出、そして洋服を身に着けなければいけない。

ヒントは「しっぽとかちく」

しかしここはどこだ。っていうか何も見えないし。寒いし。

「なんだ!おめぇ?」

俺は近くで男の声がするのが聞こえた。

「大丈夫か?」

男は俺を縛っていたロープを解いてくれた。

少しはげてはいるが、端正な顔立ちの男だった。悲しみの目をしていた。。。

「これを飲め。」

男は腰にぶら下げていた水筒を俺によこした。

「かたじけない」

俺は一気に飲み干した。。。。ゲホッ・・ゲホッ・・


「何だコレハ・・・」

俺はむせながら男に問う

「なんだちみはってか?そうです私のしょんべんですぅ。イッツ尿療法」

「何を飲ませるんだ!」

「カエルの小便よりも…下衆な!下衆な小便なぞをよくも!よくもこの俺に!いい気になるなよ!KUAA!」

俺は怒りがこみあげてきた!   

だが・・・・・

ん???

なんだ・・・・?

体に力が沸いてくるこの感覚!うあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふるえるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!おおおおおっ、刻むぞ血液のビート!」

体に力がみなぎり、体力が回復していく。

つないでたロープ引きちぎり、目隠し・ピンポンをはずした。

「なんなんだこれは!おっさん!」

俺は男に言った。

「東洋の仙道に伝わる秘術のひとつ。独特の「小便」を飲む事により血液中のエネルギーを蓄積し、生命エネルギーを活性化させる。」

「私の名前は、ツェペリ水長、みんなからはミスターと呼ばれている。東洋の仙道にルーツを持ち、幼少の頃から、磨き上げてきたこの技法!」


俺はややこしさを感じたんだ。

次回【修練】に続く