予想どおり、ほろほろっと来ました。
特に甲子園に向けての大会のベンチ入り発表のシーン。
1番から20番までの名前が読み上げられていく。最後の20番の時にはもうほんと祈るような気持ちで自分の名前が呼ばれるのをまっている。しかし、とうとう名前を呼ばれなかった3年生は、夢叶わずぽろぽろと涙を流す。
ベンチ入りの人数は決まってて、強豪校にはよくある話なんだろうけど、実際にその時のその子達の表情を見ると胸が熱くなる。自分の実力を思い知らされ、夢を断ち切られ、高校野球のグランドで自分が戦うことはもう望めないって事。18歳の高校生がどんな風に気持ちを整理するのだろう。

しかし、実際瑞穂球場に足を運んで感じたのは、みんなきっちりと気持ちを切り替えているということ。最後の試合を心から楽しんでいること。
そんな様子が番組の中の試合のシーンでも、インタビューのシーンでも見ることができた。

ベンチ入りしたメンバーは、テレビを見て私が感じた事よりももっともっと、ベンチ入りできなかった仲間の気持ちがわかっているんだろう。その気持ちも背負って戦うんだから、一生懸命に決まってる。
だから、甲子園の戦いはあれほど、みんなを夢中にさせるんだろうな。

今年の夏の予選の対戦表も発表され、日本中の高校のグランドでは厳しい練習が行われているだろう。

そして、ケン達も最後の大会が迫っている。
強いとはいえないケン達のチームだから1回戦突破がまずは目標。
とにかく「悔いのない試合」をして欲しい。
しかし、なかなか大会に向けて猛練習!というわけにいかない。
大会1ヶ月前頃、中間テストのため1週間くらい部活中止。やっと中間が終わったと思ったら修学旅行。大会前の最後の土曜日である今日こそ、と思っていたら、教育関係のシンポジウムで生徒会役員は名古屋のイベントホールへ行かなければならなくてスタメン揃っての練習はできない。
結局来週月曜日から金曜日までの朝練と夕方の練習だけで大会に臨まなくてはならない。

もう一つ、チームにとって気になる事が・・。
先日行われた部活見学、部活懇談会での事。
現在、ケンがキャプテンを務めるS中野球部には、今年十数人の1年生が入部してきた。しかし、その1年生は全く別メニューで練習をしている。今まで1年生が中心にやっていたはずの、部室の鍵当番、球拾い等も2年生が引き続きやっているそうだ。試合の時の「声だし」どころか、試合自体も応援にきていない。ケン達は、1年生部員と全く交流がなく、野球部員なのかどうなのか全く知らない子もいるという。
そんな現状を知った、2年生の父兄から不満の声が出た。1年生の父兄からも一緒に練習させて欲しいという意見が出た。涙を流して訴えるお母さんが何人もいた。
先生には先生の考えもあるだろうし(野球部に関わってくださる先生は5人いて、それぞれの考え方があると思いますが・・)、人数が増えたために効率の良い練習方法をと考えればそうなのかもしれない。確かに2.3年生の練習はなんかだらだらしている。はいったばかりの1年生をそんな雰囲気に染めたくないと思えば分けるしかないのかも知れない。
毎日練習を見に行ってない父兄がその部分だけを聞いて意見をいうべきじゃないとも思う。
でも、2.3年の子供達が「自分たちは期待されていない」「見捨てられている」と思っているのはやっぱり良くないと思う。
ちゃんと子供達が納得できるように、練習体制について説明をして欲しいなぁ。

たまたまその日、ケン達の先輩である高校生が、テスト週間で部活がないからと、何人も練習を見に来てくれた。ケン達はうれしそうだった。
今の練習方法を続けた場合、今の2年生が卒業したあと、こんな風に後輩の顔を見に学校に来てくれるだろうか?と思った。
良くも悪くも公立の中学の部活。努力して勝つ喜びを知る事も大事だが、先輩後輩の交流も大事な事で、っていうか、それは普通にできちゃうはずの事なんだけどなぁ。
技術を磨く事も大事だが「チームワーク」の大切さを知る事もこの時期そうとう意味のある大切な事だと思う。

長い目でみれば、どっかで切り替えなきゃいけないって事か・・。今の1年生を最初から厳しく締まったチームに育てればそのあとは、自然にそんな野球部に変わっていくって事?2年生をビシビシしごいて叱って、そっから締まった野球部にはできないの?
その辺もうちょっと先生の考えを聞いてみたい。

そんな事もあってのあと1週間。試合に負けたら即引退となるケン達3年生は何をすべきなのか。その親である私たちは何をしてあげられるのか。

試合に出られて泣く。
試合に出られなくて泣く。
試合に勝って泣く。
試合に負けて泣く。

「泣ける」っていいよなぁって思う。

「悔いのない試合をする」
・・・結構むずかしい事かもしれない。