3月2日、ババヤーズの最初で最後、たった一曲のみのライブが行われた。
場所はS中体育館。「卒業生を送る会」の出し物の一つとして。
ババヤーズとは・・
かなり前のブログで、ケンが野球部の先輩達と「なにやら計画中」であることはちらっと触れたが、それが、この「卒業生を送る会で、バンド演奏をしよう」という計画だったわけだ。
ワタル、ヤマ、ナガちゃん、そしてケン、野球部の先輩後輩の4人でバンドは結成された。
ギター・・ナガちゃんとケン
ベース・・ワタル
ドラム・・ヤマ
ボーカルはワタルとナガちゃん
練習場所はドラムセットがある我が家のケンの部屋。
バンド名はどうするか・・。みんなそれぞれかっこいい名前を色々考えていたみたいだが、ショウちゃんの一言で決まった。
「まだ実力のないバンドなんだから、まずは名前でド~ンと笑いをとって盛り上げないかんって!『ババヤーズ』で行け!」
(なんで、ババヤーズがウケねらいになるのか?ケン達の校区の駅前に、ずっと昔からある、アイスやジュースやタマセンなんかを売ってる、小中学生のたまり場的な店があって、通称「ババヤ」と呼ばれている。その名前は、この辺の子供達ならみんな知っている。残念ながら、おばあさんがやっていたその店は最近閉めてしまったらしい)
かなり強引なショウちゃんのプッシュでバンド名は決まった。
野球部3年生が引退した頃から練習は始まった。
それぞれ担当の楽器は決まったが、全員初心者。とりあえず我が家には一通り楽器が揃っていたのでそれを使って、弾き方は、本で、インターネットで調べながらってとこからである。
3年生はもちろん受験生、塾の合間を縫って、携帯メールで連絡をとりあっては我が家に集まる。それだけでは練習時間が足りないので、各自家でも練習もしていたようだ。ドラムのヤマは家にドラムを持って行く訳にはいかないので、漫画雑誌を積んでドラムスティックでたたいての練習、ベースのワタルは家にあるアコースティックギターでベースの練習。それぞれ工夫してやっている。
そのうち、ワタルとナガちゃんはマイギターを買ってもらった。我が家に集合するときはケースにいれたギターを背中にかついで遠くから自転車をこいでやってくる。
家に集まっても、そこは中学生、練習ばっかりしているわけじゃない。ゲームやったり、マンガ読んだり、お菓子を食べたり、ゴンと遊んだり、楽しそうにやっていた。
演奏している所をのぞいてみたいのだが、演奏している時のその部屋は、ババヤーズにとって神聖な場所な気がして、興味津々なおばちゃんがちゃかしながら入っちゃいけない気もして、演奏してるときには部屋の外に漏れ聞こえてくる音を聞くだけだった。
それでも、この頃からなんだかみんな、めきめきとうまくなっていった気がする。
「卒業生を送る会」は3月。まだまだ時間はある感じだが、勉強が大変な受験生、だんだんと練習時間は減っていった。月曜日はケン達も部活が無い日で、みんなも塾が無い日なのか、月曜の下校後の短い時間に集まったりしていた。
本番1、2週間前、「卒業生を送る会」で出し物をする生徒達のなかでオーディションが行われるというので、みんなで学校へドラムを運んだ。これがまた大仕事。
ケンの部屋は2階にあるので、ババヤーズのメンバーが何度も上り下りしてドラムを運ぶ。外ではショウちゃんがトラックをもってきて積む。積み終えたら、ババヤーズは自転車で中学校へ向かう。ショウちゃんもトラックで中学校に向かう。そしてまたトラックからドラムを運び出すのだ。
そして行われたオーデション。まぁ、これは軽くクリアしたようだ。
そしていよいよ3月2日の本番。
めちゃめちゃ見に行きたかったが、卒業生を送る会に父兄は参加できない。
どんな事になっているのか・・。
帰ってきたケンに感想を聞くと
「気持ちよかった~」
の一言。
「で、うまく行ったの?みんなの反応は?・・・」根掘り葉掘り聞く。
ぼつぼつと話す様子を聞いていると、たくさんの拍手ももらったし、観客の反応も良かったようで、とりあえずババヤーズの「デビューライブで引退ライブ」は成功したようだ。
ライブが終わって、みんなでドラムを片づけていたとき、ヤマが「あ~あ、終わったなぁ、さびしいなぁ」と目をうるませて言ったそうで、それを見たケンも泣きそうになったと言っていた。ババヤーズのみんながそんな気持ちだったと思う。
ババヤーズの活動は本当にこれで最後なのだ。
ババヤーズは本当に楽しそうだった。中学の体育館のステージで演奏するって目標を持って、大げさなようだが「夢」を持って頑張っていた。中学の3年間で、こんな風に「0から初めて何かを作りあげる」、「達成する」って事を経験できる機会はそんなに多くはないだろう。
どんなきっかけで集まった4人なのかわからないが、ケンがその中にいれてもらえた事は、ケンにとっては忘れられない楽しい経験だったと思う。
ワタル、ヤマ、ナガちゃんは4月から高校生。新しい世界に行って、またそこで何かを始めるだろう。
一人中学に残ったケンはかなり寂しそうだ。
ババヤーズが結成されて、私がケンの部屋のドアにはった張り紙もまだそのままにしてある。

考えてみれば、ババヤーズが練習してるところも、ステージで演奏してるところもビデオも写真も何にもない。写真くらい撮っておけばよかったとつくづく思う。
ライブが終わったとき、ステージでワタルが言ったそうだ、
「今日この場で『ババヤーズ』は解散しますが、来年もその次も、このS中で『ババヤーズ』を受け継いで言って欲しいです。やる気のある人はケンに声をかけてください」
なるほど!
そうだ、ケン。初代ババヤーズを知ってるケンが、また新しいババヤーズを結成し、来年もう一度「ババヤーズ」として涙を流す。そんな事ができたらいいだろうなぁ。
中学でしかできない事がある。中学でしか感じることができない感動がある。
「ババヤーズ」の想いはケンが受け継いで行こう。あとたった一年しかない中学生活、楽しくキラキラしたものにしよう。それができるかどうか、いろんな行事、活動、毎日当たり前にやっている生活、それにどれだけ一生懸命関わっていけるのか、楽しんでやれるのか、それにかかっていると思う。
がんばれ!中学生!!
そして高校に行っても、がんばれ「初代ババヤーズ」!!

※ババヤーズ打ち上げの時の写真です
場所はS中体育館。「卒業生を送る会」の出し物の一つとして。
ババヤーズとは・・
かなり前のブログで、ケンが野球部の先輩達と「なにやら計画中」であることはちらっと触れたが、それが、この「卒業生を送る会で、バンド演奏をしよう」という計画だったわけだ。
ワタル、ヤマ、ナガちゃん、そしてケン、野球部の先輩後輩の4人でバンドは結成された。
ギター・・ナガちゃんとケン
ベース・・ワタル
ドラム・・ヤマ
ボーカルはワタルとナガちゃん
練習場所はドラムセットがある我が家のケンの部屋。
バンド名はどうするか・・。みんなそれぞれかっこいい名前を色々考えていたみたいだが、ショウちゃんの一言で決まった。
「まだ実力のないバンドなんだから、まずは名前でド~ンと笑いをとって盛り上げないかんって!『ババヤーズ』で行け!」
(なんで、ババヤーズがウケねらいになるのか?ケン達の校区の駅前に、ずっと昔からある、アイスやジュースやタマセンなんかを売ってる、小中学生のたまり場的な店があって、通称「ババヤ」と呼ばれている。その名前は、この辺の子供達ならみんな知っている。残念ながら、おばあさんがやっていたその店は最近閉めてしまったらしい)
かなり強引なショウちゃんのプッシュでバンド名は決まった。
野球部3年生が引退した頃から練習は始まった。
それぞれ担当の楽器は決まったが、全員初心者。とりあえず我が家には一通り楽器が揃っていたのでそれを使って、弾き方は、本で、インターネットで調べながらってとこからである。
3年生はもちろん受験生、塾の合間を縫って、携帯メールで連絡をとりあっては我が家に集まる。それだけでは練習時間が足りないので、各自家でも練習もしていたようだ。ドラムのヤマは家にドラムを持って行く訳にはいかないので、漫画雑誌を積んでドラムスティックでたたいての練習、ベースのワタルは家にあるアコースティックギターでベースの練習。それぞれ工夫してやっている。
そのうち、ワタルとナガちゃんはマイギターを買ってもらった。我が家に集合するときはケースにいれたギターを背中にかついで遠くから自転車をこいでやってくる。
家に集まっても、そこは中学生、練習ばっかりしているわけじゃない。ゲームやったり、マンガ読んだり、お菓子を食べたり、ゴンと遊んだり、楽しそうにやっていた。
演奏している所をのぞいてみたいのだが、演奏している時のその部屋は、ババヤーズにとって神聖な場所な気がして、興味津々なおばちゃんがちゃかしながら入っちゃいけない気もして、演奏してるときには部屋の外に漏れ聞こえてくる音を聞くだけだった。
それでも、この頃からなんだかみんな、めきめきとうまくなっていった気がする。
「卒業生を送る会」は3月。まだまだ時間はある感じだが、勉強が大変な受験生、だんだんと練習時間は減っていった。月曜日はケン達も部活が無い日で、みんなも塾が無い日なのか、月曜の下校後の短い時間に集まったりしていた。
本番1、2週間前、「卒業生を送る会」で出し物をする生徒達のなかでオーディションが行われるというので、みんなで学校へドラムを運んだ。これがまた大仕事。
ケンの部屋は2階にあるので、ババヤーズのメンバーが何度も上り下りしてドラムを運ぶ。外ではショウちゃんがトラックをもってきて積む。積み終えたら、ババヤーズは自転車で中学校へ向かう。ショウちゃんもトラックで中学校に向かう。そしてまたトラックからドラムを運び出すのだ。
そして行われたオーデション。まぁ、これは軽くクリアしたようだ。
そしていよいよ3月2日の本番。
めちゃめちゃ見に行きたかったが、卒業生を送る会に父兄は参加できない。
どんな事になっているのか・・。
帰ってきたケンに感想を聞くと
「気持ちよかった~」
の一言。
「で、うまく行ったの?みんなの反応は?・・・」根掘り葉掘り聞く。
ぼつぼつと話す様子を聞いていると、たくさんの拍手ももらったし、観客の反応も良かったようで、とりあえずババヤーズの「デビューライブで引退ライブ」は成功したようだ。
ライブが終わって、みんなでドラムを片づけていたとき、ヤマが「あ~あ、終わったなぁ、さびしいなぁ」と目をうるませて言ったそうで、それを見たケンも泣きそうになったと言っていた。ババヤーズのみんながそんな気持ちだったと思う。
ババヤーズの活動は本当にこれで最後なのだ。
ババヤーズは本当に楽しそうだった。中学の体育館のステージで演奏するって目標を持って、大げさなようだが「夢」を持って頑張っていた。中学の3年間で、こんな風に「0から初めて何かを作りあげる」、「達成する」って事を経験できる機会はそんなに多くはないだろう。
どんなきっかけで集まった4人なのかわからないが、ケンがその中にいれてもらえた事は、ケンにとっては忘れられない楽しい経験だったと思う。
ワタル、ヤマ、ナガちゃんは4月から高校生。新しい世界に行って、またそこで何かを始めるだろう。
一人中学に残ったケンはかなり寂しそうだ。
ババヤーズが結成されて、私がケンの部屋のドアにはった張り紙もまだそのままにしてある。

考えてみれば、ババヤーズが練習してるところも、ステージで演奏してるところもビデオも写真も何にもない。写真くらい撮っておけばよかったとつくづく思う。
ライブが終わったとき、ステージでワタルが言ったそうだ、
「今日この場で『ババヤーズ』は解散しますが、来年もその次も、このS中で『ババヤーズ』を受け継いで言って欲しいです。やる気のある人はケンに声をかけてください」
なるほど!
そうだ、ケン。初代ババヤーズを知ってるケンが、また新しいババヤーズを結成し、来年もう一度「ババヤーズ」として涙を流す。そんな事ができたらいいだろうなぁ。
中学でしかできない事がある。中学でしか感じることができない感動がある。
「ババヤーズ」の想いはケンが受け継いで行こう。あとたった一年しかない中学生活、楽しくキラキラしたものにしよう。それができるかどうか、いろんな行事、活動、毎日当たり前にやっている生活、それにどれだけ一生懸命関わっていけるのか、楽しんでやれるのか、それにかかっていると思う。
がんばれ!中学生!!
そして高校に行っても、がんばれ「初代ババヤーズ」!!

※ババヤーズ打ち上げの時の写真です