昨日から我が社に「職場体験」の中学2年の女の子がきている。


前にも他の中学の子がきていて、そのときのことは前のブログでふれたが、今回は、ケンと同じ中学。ケンの一つ上の先輩ということだ。


私が朝9時少し前に事務所にいくと、すでにその子は来ていて、パッと立ち上がってぺこりと頭を下げ、「よろしくおねがいします」と言った。


仕事までにはまだ時間があったので、ちょっとその子と話をしてみた。


すごくおとなしい感じの子で、あまり積極的に話をするタイプではないようだが、私の質問に対して、自分の言葉で一生懸命答えようとしてくれて、えらいなぁと思った。


うちの会社は、今回この「職場体験」の依頼をうけたとき、「女子で一人だけ」という条件でお願いした。何人もの中学生に来てもらっても、めんどうを見る人材が確保できないということが前提だが、誰かとつるむ事なくたった一人で大人の職場でがんばってみようと思って来てくれる子がよかった。


「どうして、うちを選んだの?」と聞いたら「最初は保育園がいいなぁと思ったんだけど、小さい子と接する機会はあるけれど、工場で仕事するってことは、なかなか経験する機会がないので、やってみたかったです」と答えた。


仕事は、単純だが同じ事の繰り返しの根気仕事だ。しかも、ずっと立ちっぱなし。


作業の様子をちらっと見に行ったら、緊張しながらも一生懸命にやっていた。


作業時間は3時までで、事務所にもどってきたとき、「どうだった?」ときくと、「疲れました」とにこっと笑って答えた。


この三日間の体験で、この子は工場で働くってこと、どんな風に考えるのだろう。地味で、おもしろみのない仕事だと思うかもしれない。私じゃなくても、誰だってできるじゃんって思うかも。それとも、人の手を次々と経て、物がどんどん形を変え、使いやすい状態になって、世の中へ送り出されるのを面白いと思うのか。同じ作業でも、作業者のやり方一つ気持ちの持ち方一つで、能率も製品も変わってくるって事感じるだろうか。


がんばれ!Sちゃん!


 


中学生といえば、「ホームレス中学生」今、ものすごく売れてるらしい。


私も1ヶ月位まえに読んだ。たまたま本屋さんに行ったとき、平積みしてあったのをケンが見て、「これ、読んでみたい」と、珍しくマンガではない本を欲しがったので買ったのだが、中学の朝の読書タイムに読んで、ものすごく早く読み終わったようで「お母さんも読む?」ってもってきてくれた。


読み始めたらほんとすいすい読める。1日か2日で読めてしまったと思う。


ものすごく大変な経験を、淡々と普通の言葉で、そしておもしろおかしく書いてある。油断して笑っていると、突然、胸が熱くなって、じんわり涙が出てくる。


我が家はみんなお笑いが好きで、特にアヤは「麒麟」川島さんのファンだったため、麒麟の漫才はよく見ていた。田村さんの貧乏話はよく漫才のネタにしていたので知っていたが、まさかここまで大変な生活をしていたとは知らなかった。


しかし、まだ中学生でこんな生活を強いられたら、父親を、そして世間を恨み、性格がゆがんでしまうんじゃないだろうか。


田村さんが今、あんなにやさしく、暖かく、そして楽しい人でいられるのは、お母さん、兄弟、友達、そして親身になっていろいろと世話をしてくれた友達の家族、そういったまわりで見守ってくれている人達の存在が大きいと思う。


同じ中学生のケンはこれを読んで、どんな風に感じたのだろう。少しは泣いただろうか。


中学生がちゃんと中学に通えて、いろんな体験をさせてもらって、帰ってくる家があるって事。そういうことが幸せだなんて、なかなか思わないだろうなぁ。


自分が中学の時、何をどんな風に考えていたんだろうって考えてみるが、あんまり思い出せない。うれしいことも、悲しいことも、つらいことも、それなりにあったはずなんだけど・・。でも、とにかく、何でもいろいろと沢山経験した方が、先々何かに迷ったとき、自分のなかに判断する材料がたくさんあっていいだろうな。


たいした経験もせず、平凡にここまで来た私がいうのもなんだけどね。


今、我が家の中学生、ケンは、テスト週間にはいったため、毎日「ちょっと勉強やったの?」「もう、テレビなんか見とったらだめだって~!」「いいかげんにしやぁよ!ゲーム取り上げるでね!!」なんて言葉を浴びせかけているが、そんな事も、ものすごーく平和な事だなぁって思えるのは、この「ホームレス中学生」を読んで、私の経験値があがったって事かな?


がんばれ!中学生!!