3月1日、アヤ達の高校で卒業式が行われた。
高校の卒業式って親も出るんだっけ?と思ってみんなに聞いてみたら、最近はほとんどの高校で親も参列するらしい。
ってことで、私もアヤの卒業式にでかける事になった。
何を着ていこうかなーと考えたが、結局無難に、黒のパンツスーツにコサージュ、パールネックレスって格好になった。
学校に着いてみると、早めに来たせいか駐車場も余裕で、父兄の席もまだ沢山あいていた。写真を撮りたい私は、立ったり座ったりするので、周りの人に迷惑をかけないよう一番後ろの一番角をキープした。
着物の人は私が確認した限り2人だけだった。


しかし、この席は寒い!真後ろに入り口があるため、お母さん達や在校生が入場するあいだずっと開いたままになっている。冷たい風が吹き込んで来る。お母さんたちもせっかくスーツを着てきたのに、コートを着込んだまま席につく人も多かった。私はコートを持ってこなかったのでめちゃめちゃ寒かったが、写真を撮りたいがためにひたすらがまんした。
父兄達も座席におさまり、式がはじまった。


アヤの通う高校は、校則にとても厳しい学校という事で有名らしいが、確かに入場してくる卒業生の中に、茶髪や、だらしなく制服を着ている子、ソックスの色が違う子など一人もいなかった。式の間に騒いだりするこもいなくて、式は粛々と進行した。
高校だからあたりまえなんだろうけど、卒業式のメインとなる卒業証書授与が、代表者が受け取るだけで、名前の読み上げもないため、あっというまに終わってしまい、ちょっと拍子抜けだった。
その後校長先生の式辞があり、続いてPTA会長の祝辞となった。
その祝辞では、吉田松陰の詩を引用して話をされた。

“夢無くして計画なし、計画なくして実行なし、実行なくして成功なし、而して、夢無くして成功なし”

ふむふむ、その通りだ。やっぱり夢を持たなきゃ、と自分に言い聞かせる。

そして、在校生の送辞、卒業生の答辞と続く。
高校には個人懇談くらいしかでかけていないので、なじみが薄いせいか、「すごいなー、お手本のような答辞だなー」という感想を持っても、涙がでてくるような事はなかった。
「仰げば尊し」斉唱。
最近、この歌を歌うのか歌わないのか検討する学校が増えているようだが、私自身は卒業式に「仰げば尊し」がつきもので過ごしてきたので、やはりこの歌を聴くと「卒業式だぁ」って感じがする。でも、先生方からすると、「さぁ、歌いなさい」と当たり前のように式次第に組み込んで歌わせる歌ではないって思うのかもしれないなー。いい歌なんだけどなー。そんな簡単な問題じゃないのかなー。

こうして式が終わり卒業生が退場するとき、カメラでアヤを狙っていたら、アヤは「なんか卒業って実感が全然ない」っていってた割に、口をへの字に曲げて泣いていた。あとから聞いてみたら、去年担任で他の学校に転任してしまった先生が、式に来てくれていて体育館の一番後ろで泣きながら拍手を送ってくれているのが見えて、そうしたらもう、どばーっと涙が出てきてしまった、という事だった。
先生といえば、もう一人アヤの話題にのぼった先生がいる。
生徒指導のU先生は、本当にきびしい先生らしく、ちょっとスカートが短かったり、校章がついてなかったりしただけで、すぐに呼びつけられ叱られるらしい。
アヤたちが卒業するにあたり、思い出のビデオを撮ろうということになり、卒業式の前日に御世話になった先生にビデオカメラの前に立ってもらい、いろいろな質問に答えてもらったり、アヤ達のクラスに対する思い出を語ってもらったりした。アヤ達はそのU先生にもビデオ撮影をお願いしに行った。しかし、その先生はこういったそうだ。
「ごめんな、オレはさー、生徒指導という立場におるもんで、お前達の卒業式が無事に終わるまで、ここで楽しい顔して思い出を語って、そういう顔を見られて、なめられたらいかんのだわ。オレは最後まで怖い人でおらんといかんのだわ。申し訳ないけどわかってくれ」
これを聞いてアヤは、ただ厳しくて怖いU先生だって思ってたのが、自分たちの為に嫌われ役になってくれてる、本当は気さくないい先生なんだって感じたらしい。
アヤが卒業するギリギリの日ではあるが、「いい先生」だって思える先生がまた一人増えてよかったなーと思った。


平成19年3月1日、アヤは高校を卒業した。
通学時間が1時間以上かかるのに、部活もがんばり、高校生活3年間ほんとに充実していたと思う。アヤの中学からはアヤ一人しかこの学校に進学しなかったため、入学した当時には知ってる子がひとりもおらず、グループの輪の中に入っていくのも気をつかったらしいが、すぐに友達も沢山でき、ワイワイと楽しく過ごす事ができたようだ。
アヤ卒業おめでとう!
4月からは新しい環境が待っている。4年間で、自分の好きな事をしっかりじっくり勉強して下さいませ。
アヤの受験が終われば、我が家も今年一年は受験体制から開放されるから、また、家族でもいろいろ出掛けよう!あと、時間に余裕ができるだろうから、晩ご飯も一緒につくろう!それから、早く車の免許とって、母達の「あっしー」になってくれぃ!