秋だから・・というわけではないが、ここのところ毎晩ず~~~っと本を読んでる。その本はほとんどが借りた本なのであるが、「この本が絶対読みたい!」って思って、本屋さんへ足を運んで買ってきたものではないため、今まで読んだ事のない作家の本があって、守備範囲が広がった感じだ。

「13階段」高野和明
「我らが隣人の犯罪」宮部みゆき
「恋愛写真」市川拓司
「火の粉」雫井脩介
「変身」東野圭吾
「宿命」東野圭吾
「虚貌」(上、下)雫井脩介

これを見ると「恋愛写真」以外はすべて「ミステリー」であるという事に気づくかも知れない。
私は今までほとんど「ミステリー」は読んだ事はなかった。しかし沢山借りた本の中で最初に手をつけた「13階段」を読んで、どっぷりとはまった。
大体どの本も、最初の部分ははいり込みにくい。「どうしょっかなー、これやめて他のにしよっかなー」なんて思ってる。しかし、ちょっと事件が始まったあたり、その辺からは、他の本に変えようと思っていた気持ちは何処かにとんでいってしまっている。事件が起こって、ほんのちょっとだけ解決の糸口がみえてきたあたりからぐいぐいひきこまれていく。(「解決の糸口」とは私がかってに思いこんでるだけで、実際は全く関係なかったりする場合が多い。)
主人公に助けてもらいながら、一生懸命推理をする。
そんな頃には、ページをめくるのももどかしくなってきている。
そして、最後の事件解決の部分がやってくる。
「は~~~~・・・」とため息がでる。
最初の方にでてたあの会話も、あの風景描写も、あの人のあの行動も、すべてこの犯人につながる伏線だったのか!途中で私が「はは~~ん、こいつが怪しい!絶対こいつだ!」って道に迷っていくのも全て作者お見通しのストーリー展開。
思わず「参りました!」「わたくしが至りませんでしたぁ~」とひざまずきたくなるような結末。
いや~面白い。
そういうのを1冊読むと、「もう一度私にチャンスを下さい!」という気持ちと、「もう一度私をひざまずかせて下さい!」という気持ちが交錯し、さらに別の一冊に手がのびる。

そんな感じで、ここのところの私の秋の夜長は「殺人」「指紋」「動機」「目撃者」「逃走」「偽装」「恨み」「復讐」などの物騒な言葉が飛び交っている。

犯人がだれなのか気になって、眠たいのに眠れない!

そんなとき、隣では夫が「ガーガー」というすざましいいびきをかいて眠っていた。本人はまだテレビを見るつもりでいたらしく、高く積んだ枕にもたれ、めがねをかけたまま、手にはリモコンを持ったままである。ものすごく気持ちよさそうな寝顔である。
めがねを外してあげようと妻は、両手を夫の耳のよこに持っていった。
その時、夫のいびきは一段と大きく激しいものに変わった。妻の手が一瞬止まった。まるで眠れない妻をあざ笑うかのようないびきだ。そのいびきとは裏腹に、ものすごく幸せそうな寝顔の夫を見ていると、無性にいらだち、妻の心を形をなさない黒いどろどろとした感情が占めていくのを感じた。

「この手をほんのちょっと下にずらせば・・親指に少しチカラをいれればいい。
それとも、今日いらない本を束ねたあのビニール紐の方がいいのかしら・・」
妻の手はゆっくりと夫の首筋に移動した。

(つづく)

↑つづきません


ちょっと、ミステリーの読み過ぎだ~~。
今夜はとっとと寝るぞ~~~!!!