先日、ケンの所属する少年野球チームで卒団式がおこなわれた。そして、当然ながら新チームの新しい体制も決められる。
私達5年母は、その日卒団式の準備で朝から会場につめていた。
子供達は、朝集合次第、神社に初詣にむかい、その後、試合会場にむかった。
その試合に快勝して帰ってきて、そして卒団式がはじまった。つまり私は朝ケンを送り出してから昼に始まった卒団式まで、一言も言葉をかわしていないわけだ。
感動的な卒団式の流れの中で、卒団生から在団生に記念品が贈呈された。キャプテンW君のあいさつのあと、在団生からも一言お礼をということになった。どこかから「今度のキャプテン誰だ?新キャプテンあいさつしろ」という声がきこえた。誰だろうと思ってみていると、なんと!ケンがしゃべりはじめるではないか!?
「え~!!」と思っているうちに挨拶は終わり、式はどんどん進んでいった。
式が終わってやっとケンと話をする時間があり、「なんであんたが挨拶しとるの??」ってきいたら、「おれ、キャプテンになったもん」という答え。
私は自分がかなり運動音痴なこともあって、ずっと文化系ですごしてきた。それでも、チームプレイで成り立つスポーツの「キャプテン」の役割の大変さは少しはわかっているつもりである。Sクラブにしても、チーム全体のムードがゆるんでいる時、まっさきに叱られるのは、キャプテンである。逆にいえば、自分が叱られている様子をみて、チームのみんなが反省し、一生懸命やろうと思い、一致団結する、そんな人格がなくてはキャプテンにはなれないと思っていた。
どんないきさつでケンがキャプテンに決まったのか、詳しい事は分からないが、「キャプテンをやりたい人」の呼びかけに、ケンは真っ先に手をあげたらしい。
それがどんなにたいへんなことなのか、わかってて手をあげたのか・・
「すごいねー!よかったねー!かっこいいねー!!」そういって喜んであげたい気持ちもあった。しかし、かけた言葉は「あんた、キャプテンってどんだけ大変なのかわかる?自分の事だけ考えてたらだめなんだよ。いつもチーム全体をみてないとだめなんだよ!・・・」と思いつく大変さを、覚悟しておかなければいけないだろう事を並べたてた。
ケンは「うん、わかった。がんばる」と答えた。
今日の大会で負けたSクラブは、これで本当に6年生ぬきでスタートしなければならない。ケンは決して野球がずばぬけてうまいわけでもなく、自分の実力でがんがんチームをひっぱていく事はできないだろう。このチームで、ケンがキャプテンとして一体何ができるのか・・そんな風に思っていたら、ケンと同じ5年生のお母さんが「ケン君、5年生の中で一番立ち直りがはやいから、チームが明るくなっていいわー」とメールをくれた。確かに我が家でもケンはムードメーカーの様なところがあって、ケンがいると雰囲気が明るくなる。そして叱られても、気持ちの切り替えがはやいのか、あまりひきずらないほうだと思う。そんな部分を生かしていければ少しはチームに貢献できるのか。
ケンに求められているもの、それは、チームのみんなと一緒に努力し、みんなと一緒に成長していく事。ともにできないくやしさを味わい、ともにできた喜びを味わう。そんなことでチーム全体がまとまればいいなーと思う。
前キャプテンのW君がケンにアドバイスをくれた。
1、「声、出せ!」ではなく「声だそう!」などと言う。(命令口調ではなく「自分も出すからみんなだそう!」といった方がムードが良くなる)
2、トンボかけを1番にやりに行く。
(キャプテンがやれば後輩達もやる気になる)
これは前キャプテンが、自分自身で経験し自分自身で得た教訓だろう。そしてケンにもすぐに実行できそうな内容である。
ケンはほんとうにうれしそうだった。そんな風に自分の事を心配して気遣ってくれる存在がうれしかったんだと思う。他の先輩からも「キャプテンの仕事がんばれ!」のメッセージをもらっていた。
私がならべた、いくつもの「覚悟」よりもケンの気持ちにすんなりはいりこんだに違いない。そして「がんばろう!」って前向きな気持ちになれただろう。
とにかく、スタートしたばかりの「新生Sクラブ」これからうれしい事もつらい事もあるだろう。そういう本当にたくさんの経験を積んで、Sクラブがどんなチームになっていくのか、そしてケンがどう成長していくのか、だんだん楽しみになってきた。
がんばれキャプテン!
私達5年母は、その日卒団式の準備で朝から会場につめていた。
子供達は、朝集合次第、神社に初詣にむかい、その後、試合会場にむかった。
その試合に快勝して帰ってきて、そして卒団式がはじまった。つまり私は朝ケンを送り出してから昼に始まった卒団式まで、一言も言葉をかわしていないわけだ。
感動的な卒団式の流れの中で、卒団生から在団生に記念品が贈呈された。キャプテンW君のあいさつのあと、在団生からも一言お礼をということになった。どこかから「今度のキャプテン誰だ?新キャプテンあいさつしろ」という声がきこえた。誰だろうと思ってみていると、なんと!ケンがしゃべりはじめるではないか!?
「え~!!」と思っているうちに挨拶は終わり、式はどんどん進んでいった。
式が終わってやっとケンと話をする時間があり、「なんであんたが挨拶しとるの??」ってきいたら、「おれ、キャプテンになったもん」という答え。
私は自分がかなり運動音痴なこともあって、ずっと文化系ですごしてきた。それでも、チームプレイで成り立つスポーツの「キャプテン」の役割の大変さは少しはわかっているつもりである。Sクラブにしても、チーム全体のムードがゆるんでいる時、まっさきに叱られるのは、キャプテンである。逆にいえば、自分が叱られている様子をみて、チームのみんなが反省し、一生懸命やろうと思い、一致団結する、そんな人格がなくてはキャプテンにはなれないと思っていた。
どんないきさつでケンがキャプテンに決まったのか、詳しい事は分からないが、「キャプテンをやりたい人」の呼びかけに、ケンは真っ先に手をあげたらしい。
それがどんなにたいへんなことなのか、わかってて手をあげたのか・・
「すごいねー!よかったねー!かっこいいねー!!」そういって喜んであげたい気持ちもあった。しかし、かけた言葉は「あんた、キャプテンってどんだけ大変なのかわかる?自分の事だけ考えてたらだめなんだよ。いつもチーム全体をみてないとだめなんだよ!・・・」と思いつく大変さを、覚悟しておかなければいけないだろう事を並べたてた。
ケンは「うん、わかった。がんばる」と答えた。
今日の大会で負けたSクラブは、これで本当に6年生ぬきでスタートしなければならない。ケンは決して野球がずばぬけてうまいわけでもなく、自分の実力でがんがんチームをひっぱていく事はできないだろう。このチームで、ケンがキャプテンとして一体何ができるのか・・そんな風に思っていたら、ケンと同じ5年生のお母さんが「ケン君、5年生の中で一番立ち直りがはやいから、チームが明るくなっていいわー」とメールをくれた。確かに我が家でもケンはムードメーカーの様なところがあって、ケンがいると雰囲気が明るくなる。そして叱られても、気持ちの切り替えがはやいのか、あまりひきずらないほうだと思う。そんな部分を生かしていければ少しはチームに貢献できるのか。
ケンに求められているもの、それは、チームのみんなと一緒に努力し、みんなと一緒に成長していく事。ともにできないくやしさを味わい、ともにできた喜びを味わう。そんなことでチーム全体がまとまればいいなーと思う。
前キャプテンのW君がケンにアドバイスをくれた。
1、「声、出せ!」ではなく「声だそう!」などと言う。(命令口調ではなく「自分も出すからみんなだそう!」といった方がムードが良くなる)
2、トンボかけを1番にやりに行く。
(キャプテンがやれば後輩達もやる気になる)
これは前キャプテンが、自分自身で経験し自分自身で得た教訓だろう。そしてケンにもすぐに実行できそうな内容である。
ケンはほんとうにうれしそうだった。そんな風に自分の事を心配して気遣ってくれる存在がうれしかったんだと思う。他の先輩からも「キャプテンの仕事がんばれ!」のメッセージをもらっていた。
私がならべた、いくつもの「覚悟」よりもケンの気持ちにすんなりはいりこんだに違いない。そして「がんばろう!」って前向きな気持ちになれただろう。
とにかく、スタートしたばかりの「新生Sクラブ」これからうれしい事もつらい事もあるだろう。そういう本当にたくさんの経験を積んで、Sクラブがどんなチームになっていくのか、そしてケンがどう成長していくのか、だんだん楽しみになってきた。
がんばれキャプテン!