夕方4時半になってもケンが帰ってこない・・。う~ん結果はどうなったんだろう。励ましの言葉を考えつつケンの帰りを待つ。
5時過ぎてからトントントンと階段を上ってくる音がする。昨夜ケンには、「明日の結果がどっちだろうとも、とにかくちゃんと事務所に報告に来てよ!」と言っておいた。
ケンの場合当選したら間違いなく、ダダダダッと元気のいい足音が聞こえてくるはずだ。やけに静かな足音。ヤマト運輸さんか?
いや、ケンだった。肩を落としうつむき加減で、私の顔を見ようとしない。
やっぱりダメだったか・・・。
ケンの表情を見る。
あれ?目が笑っている。話したくてしょうがないような口元。そして・・
「へへへ~!見事副会長に当選いたしました~!!」と満面の笑顔!
くっそ~!当選してたんだー、演技してたんだー。
ひゃ~!よかったよかった!
ライバルとは十五、六票差で当選したらしい。
Sクラブの先輩も当選し、会長、副会長全てSクラブ。「Sクラブ党」圧勝であった。

昨日、立会演説が終わって家に帰ってきたとき、
「もう、これで落ちても悔いはない」とかっこいいこと言っていた。
ほんとうに、そんな風に割り切れればいいけど・・と少し心配だった。
結果は良かったけれど、本当にどうなるか解らない小学校の選挙。一生懸命応援してくれたT君には本当に感謝している。あとケンに一票を投じてくれた皆さんありがとう。
ケンは、これから、このみんなの気持ちにどう答えていくのか。公約はきっちり守ろう!

晩ご飯の時、「ケン、当選おめでとう!」といってビールをのんだ。

しかし、ここまでである。ここからはいつもの我が家モード。
利用出来る事は全て利用する。

「あれー?副会長のくせにマンガばっかり見とっていいのー?」
「副会長のくせに、しいたけとぎんなん残していいのー?」
「副会長、お茶とってきて!」
「副会長、テレビの音もっと大きくして!」
「ちょっと、副会長!じゃま~」

こんなものである。

でもほんと良かった!このうれしい気持ちをずっと忘れずに、これからもいろんな事に挑戦しよう。
宿題も、時間割も、バレーシューズ洗いも、きれいに連絡帳書く事も、ちゃんとやろう(←基本中の基本!)
それから、みんなが毎日行きたくなるような楽しい学校にしよう!
がんばれ!副会長~!!