この前の日曜日の事、いつもの様にケンの野球の試合を見に行った。
ケンは肘のケガが治ったあと、たった一回の夕方練習に出ただけで、学校からのキャンプに参加、その次の日の試合とあって、まさかスタメンでださせてもらえるとは思っていなかった。しかし、最初からライトで出させてもらって、2回ほどフライが飛んだが、がっちりととり、まずまずの出足だと思っていた。Sクラブは初回と2回の表で8点をとり楽勝ムードの試合展開で、応援団も和やかなムードだった。
ところが、2回の裏、ケンの守るライトに打球が飛んだ。ケンは打球に追いつかず後ろにそらした。ランナーはセカンドベースも周りサードに向かって走る。ケンが必死にボールを追いかける。やっと追いついて中継のH君に球を投げる。ケンが心配そうに見守るなか、H君はさらにS君に投げるが、すでにランナーはホームイン。
「あ~あ~。ベンチで怒られるだろうな~。でもまだ得点差あるし、これからがっちり守れよ~」なんて思っていた。
すると、誰かの声が聞こえた
「あ~!!ケン君が倒れたー!!」
びっくりしてグランドを見ると、市営球場の広いグランドの遠くの方に、ばったりとケンが倒れている!チームの仲間、コーチ、監督が走りよる様子が、映画の一場面、スローモーションの様に見える。周りの声がすごく遠くに聞こえる。子どもの頃プールに潜って聞いた水面上の物音を聞いている感じ。なんだか頭がぼーっとして、すぐに行かなきゃと思う気持ちがある反面、「試合中はこのラインからはいっちゃだめなんだよな~」なんて事を考えたりして、立ちすくんでいた。
グランドから誰かが叫んだ!
「お母さん、早く!!」
やっと現実にもどった。
とにかくケンの所に向かって走った。外野がこんなに遠いなんて・・と思った。
「ケン!ケン!」と呼びかける。コーチがユニフォームをゆるめたり、頭に水をかけたりしている。私は、かろうじてケンのめがねをはずし、あとはただ呼びかけるだけ。
コーチ達がケンをかかえて、日陰に寝かせてくれた。
意識はもどった様子だが、目が見えているのか、耳が聞こえているのか、わからない程反応が鈍い。
チームのお母さん達が、自分の子どもの試合そっちのけで、ケンの体を冷やすためうちわで扇いだり、保冷剤で冷やしたりと必死に手当してくれた。
すこし落ち着いたので、車まで運んでもらい後ろのシートに寝かせ、家に向かって走る。
最初は、しばらく休めば治ると思っていたが、あまりにも辛そうな様子に、やっぱり病院で診てもらおうと、車に寝かせたまま着替えさせ病院に向かう。
ショウちゃんがケンをおんぶして運び受付をすませる。
時間外にもかかわらずたくさん人がいたが、ぐったりしているケンの様子を見てか、すぐに診察をしてもらえた。
「検査の結果次第では一晩入院の可能性もあります」といわれた。
しかしCT、心電図、血液検査など一通りしてもらったが、特に異常はみられなかった。脱水症状が少しあったそうだ。
やっと気持ちが落ち着いてきた。
ケンは左手の甲に針をさして点滴をうけている。
すると、点滴とはこうも効く物かというくらい、どんどんケンが元気になってくる。ぺらぺらとしゃべりはじめ、そのうちベッドに横になっている事にも飽きてきた様子で、起きあがって「ね~ね~お母さん」と話しかけてくる。
笑えるのは
「お母さん、トイレ行きたい」とケンがいう。
点滴つけてるしどうしたものかと思っていると、看護士さんが「お母さんコレでとってあげて下さい」
登場したのは、尿瓶(しびん)である。
私もケンもかつてコレを使った覚えはない。
「カーテンしめるから恥ずかしくないからね~」と看護士さんは行ってしまった。
とにかく、体勢を整え、静かにそこに注目し、でるのを待つ。
・・・でない。
「あんた、したいんじゃないの~?」
「だめだ~!でん!立って構えんとでん!」
「もうちょっとがんばってみ」
「だめ、無理」
というわけで、しびん初体験はリタイヤした。
看護士さんに移動用の点滴ホルダーにつけかえてもらい、歩いてトイレへ。
「あ°~すっきりした~!!」
すっかりいつものケンにもどっていた。
様子を見にきた看護士さんが「あれー来た時と別人だねー」と笑いながらいう。
先生は「もう帰ってもよさそうだね」といって去っていった。
支払いをすませて、家に帰る。
いつもと変わらないケンを見ていると、試合中倒れた事が夢のような気がする。
とにかくよかった・・
だけど、体調管理の大切さも感じた。
前日がキャンプだったからはしゃいで、消灯時間も守らなかっただろうし、久々の試合で緊張もしただろう。肘のケガでここ数週間練習もしていなかった。
考えてみれば、いろんな要因が思い当たる。しかし、こんなにも簡単に人は倒れるんだって思って少し怖くなった。気をつけなきゃ。
今はまた毎日夕方の練習に元気に出かけていく。
「お母さん、4時まであと何分?」と何度もきいてくる。
楽しいんだろうな~。
この暑い中、自分の寝る時間までさいて、夕方練習をして下さるコーチには本当に頭が下がる。ありがとうございます!
あと、ケンが倒れた時、必死に介抱して下さった皆さん。心配してメールをくれた皆さん。ご心配おかけしました。ほんとにありがとうございました。
PPじいちゃんもほんとにありがと~!
ケンは肘のケガが治ったあと、たった一回の夕方練習に出ただけで、学校からのキャンプに参加、その次の日の試合とあって、まさかスタメンでださせてもらえるとは思っていなかった。しかし、最初からライトで出させてもらって、2回ほどフライが飛んだが、がっちりととり、まずまずの出足だと思っていた。Sクラブは初回と2回の表で8点をとり楽勝ムードの試合展開で、応援団も和やかなムードだった。
ところが、2回の裏、ケンの守るライトに打球が飛んだ。ケンは打球に追いつかず後ろにそらした。ランナーはセカンドベースも周りサードに向かって走る。ケンが必死にボールを追いかける。やっと追いついて中継のH君に球を投げる。ケンが心配そうに見守るなか、H君はさらにS君に投げるが、すでにランナーはホームイン。
「あ~あ~。ベンチで怒られるだろうな~。でもまだ得点差あるし、これからがっちり守れよ~」なんて思っていた。
すると、誰かの声が聞こえた
「あ~!!ケン君が倒れたー!!」
びっくりしてグランドを見ると、市営球場の広いグランドの遠くの方に、ばったりとケンが倒れている!チームの仲間、コーチ、監督が走りよる様子が、映画の一場面、スローモーションの様に見える。周りの声がすごく遠くに聞こえる。子どもの頃プールに潜って聞いた水面上の物音を聞いている感じ。なんだか頭がぼーっとして、すぐに行かなきゃと思う気持ちがある反面、「試合中はこのラインからはいっちゃだめなんだよな~」なんて事を考えたりして、立ちすくんでいた。
グランドから誰かが叫んだ!
「お母さん、早く!!」
やっと現実にもどった。
とにかくケンの所に向かって走った。外野がこんなに遠いなんて・・と思った。
「ケン!ケン!」と呼びかける。コーチがユニフォームをゆるめたり、頭に水をかけたりしている。私は、かろうじてケンのめがねをはずし、あとはただ呼びかけるだけ。
コーチ達がケンをかかえて、日陰に寝かせてくれた。
意識はもどった様子だが、目が見えているのか、耳が聞こえているのか、わからない程反応が鈍い。
チームのお母さん達が、自分の子どもの試合そっちのけで、ケンの体を冷やすためうちわで扇いだり、保冷剤で冷やしたりと必死に手当してくれた。
すこし落ち着いたので、車まで運んでもらい後ろのシートに寝かせ、家に向かって走る。
最初は、しばらく休めば治ると思っていたが、あまりにも辛そうな様子に、やっぱり病院で診てもらおうと、車に寝かせたまま着替えさせ病院に向かう。
ショウちゃんがケンをおんぶして運び受付をすませる。
時間外にもかかわらずたくさん人がいたが、ぐったりしているケンの様子を見てか、すぐに診察をしてもらえた。
「検査の結果次第では一晩入院の可能性もあります」といわれた。
しかしCT、心電図、血液検査など一通りしてもらったが、特に異常はみられなかった。脱水症状が少しあったそうだ。
やっと気持ちが落ち着いてきた。
ケンは左手の甲に針をさして点滴をうけている。
すると、点滴とはこうも効く物かというくらい、どんどんケンが元気になってくる。ぺらぺらとしゃべりはじめ、そのうちベッドに横になっている事にも飽きてきた様子で、起きあがって「ね~ね~お母さん」と話しかけてくる。
笑えるのは
「お母さん、トイレ行きたい」とケンがいう。
点滴つけてるしどうしたものかと思っていると、看護士さんが「お母さんコレでとってあげて下さい」
登場したのは、尿瓶(しびん)である。
私もケンもかつてコレを使った覚えはない。
「カーテンしめるから恥ずかしくないからね~」と看護士さんは行ってしまった。
とにかく、体勢を整え、静かにそこに注目し、でるのを待つ。
・・・でない。
「あんた、したいんじゃないの~?」
「だめだ~!でん!立って構えんとでん!」
「もうちょっとがんばってみ」
「だめ、無理」
というわけで、しびん初体験はリタイヤした。
看護士さんに移動用の点滴ホルダーにつけかえてもらい、歩いてトイレへ。
「あ°~すっきりした~!!」
すっかりいつものケンにもどっていた。
様子を見にきた看護士さんが「あれー来た時と別人だねー」と笑いながらいう。
先生は「もう帰ってもよさそうだね」といって去っていった。
支払いをすませて、家に帰る。
いつもと変わらないケンを見ていると、試合中倒れた事が夢のような気がする。
とにかくよかった・・
だけど、体調管理の大切さも感じた。
前日がキャンプだったからはしゃいで、消灯時間も守らなかっただろうし、久々の試合で緊張もしただろう。肘のケガでここ数週間練習もしていなかった。
考えてみれば、いろんな要因が思い当たる。しかし、こんなにも簡単に人は倒れるんだって思って少し怖くなった。気をつけなきゃ。
今はまた毎日夕方の練習に元気に出かけていく。
「お母さん、4時まであと何分?」と何度もきいてくる。
楽しいんだろうな~。
この暑い中、自分の寝る時間までさいて、夕方練習をして下さるコーチには本当に頭が下がる。ありがとうございます!
あと、ケンが倒れた時、必死に介抱して下さった皆さん。心配してメールをくれた皆さん。ご心配おかけしました。ほんとにありがとうございました。
PPじいちゃんもほんとにありがと~!