リンゴ病(伝染性紅斑)は、ヒトパルボウイルスによって引き起こされる感染症です。

 

幼児や小学生に多くみられますが、大人が感染することがあります。

 

 

リンゴ病という病名は、感染後に頬がリンゴのように赤くなる、特徴的な発疹に由来しています。

 

初期症状は、軽い発熱、倦怠感、頭痛など、風邪に似た症状が多く認められます。

 

その後、数日以内に頬が赤くなる発疹が現れ、これが「リンゴの頬」と呼ばれる特徴的な症状です。

 

発疹はその後、体全体に広がることもあり、手足にレース状の発疹が生じることもあります。

 

大人の場合には、関節痛を伴う例もあります。

 

リンゴ病は、感染者の咳やくしゃみなどの飛沫を介して広がります。

 

また、体液を通じて感染することもあります。

 

潜伏期間は10~20日程度で、注意点は症状が出現する前から感染力があることです。

 

通常は軽症な病気ですが、妊婦や免疫力が低下している人にとっては注意が必要です。

 

妊婦が感染すると、胎児に影響を及ぼす可能性があり、特に妊娠初期には流産や胎児水腫のリスクが高まります。

 

また、免疫力の低下している人では、重症化する危険性があります。

 

リンゴ病を予防するには、手洗いやマスク、咳エチケットを徹底することが重要です。

 

特に流行期には、感染者との接触を避けることが推奨されます。

 

十分な睡眠や栄養をとることで、免疫力を高めることも効果的です。

 

リンゴ病には特効薬はなく、治療は対症療法が中心です。

 

発熱や関節痛がある場合には、解熱剤や鎮痛剤を使用することになります。

 

基本的には自然治癒する病気ですので、安静に過ごすことが大切です。

 

現在、リンゴ病を予防するためのワクチンは存在していません。

 

病原となるヒトパルボウイルスに対するワクチン開発進められていますが、まだ実用化には至っていません。

 

 

リンゴ病が一般的には軽症で自然治癒するため、開発の優先度が低いとされていることが一因です。

 

しかし、妊婦や免疫力の低下している人にとって、リンゴ病のリスクは高いため、今後のワクチン開発の進展が期待されています。