現在の日本にとって喫緊の課題である、エネルギー政策。

 

自民党、立憲民主党の総裁選挙では、残念ながらこの問題に対する本格的なな議論は、ほとんどなされませんでした。

 

ご存じのように、我が国はエネルギー資源の大半を輸入に頼っています。

 

安倍・菅政権による長期間に渡る低金利政策は、副作用として過度の円安をもたらしました。

 

このための、石油、天然ガス、石炭の輸入価格は上昇。

 

ガソリン代、電気代、ガス代の値上げとして、直接家計を圧迫するるだけではありません。

 

工業生産、建設業、農業生産、物流、公共交通、飲食産業など、あらゆる産業部門のコスト上昇の原因となっています。

 

その結果が、昨今の急激な物価上昇につながっているんですね。

 

また、これらの化石燃料の輸入費の増加は、貿易収支を悪化させ、より円安を進める悪循環を起こしています。

 

アンケートでみる国民の政権に対する要望の第一は、経済問題の改善です。

 

今回の党首選でもエネルギー政策に対する、活発な討論が予想されましたが、残念なことに討議され様子はありませんでした。

 

自民党のどの候補者が総理になっても、国民の生活は改善されませんね。

 

ぐちが長くなって、申し訳ありません。

 

本題に入ります。

 

ポルトガルは欧州の小国ですが、そのエネルギー政策には、目を見張るものがあります。

 

最初に、ポルトガルについて紹介します。

 

ポルトガルは、欧州の西端イベリア半島にあり、一方を大西洋に面して残りの三方をスペインに接した国です。

 

面積は、およそ日本の4分の1、北海道に四国を足したほどです。

 

人口は1千20万人と日本の12分の1。

 

一人あたりGDPは、3万4千ドルでおよそ4万ドルの日本よりやや少ない国です。

 

気候は地中海気候で寒暖の差が小さく、北部の年間降水量は1500ミリと日本並みですが、首都リスボンのある中部は700ミリ、南部は500ミリと南に行くほど少なくなります。

 

石炭、石油、天然ガスなどのエネルギー資源は、ほとんど産出せず輸入に頼っています。

 

日本と同じですね。

 

さて、ポルトガルが画期的なのは、その電力政策です。

 

国内電気消費量の半数以上(51%)を水力発電で、35%を風力、残りをバイオマスと太陽光発電で補っているのです。

 

 

もちろん、再生可能エネルギーは天候に左右されますので、バックアップとしての化石燃料発電施設が整備され、足りない分を補います。

 

原子力発電所は、ありません。

 

気象状況のよい時期では、ほば100%の消費電力を再生可能エネルギーでまかなっているそうです。

 

川の流れが急峻で、降水量もポルトガルよりずっと多い日本で、どうして水力発電が伸びてこないのでしょうかね。

 

また、ポルトガルが太陽光発電を多用していないこともポイントです。

 

バイオマス発電の原料としては、全国に植林したユーカリや黒松が用いられています。

 

ユーカリや黒松は、製紙用のパルプ原料として植林されたものですが、紙の需要が減ったため、バイオマス燃料に転用されているわけです。

 

日本にも、荒れた杉林や荒れた竹林があちこちにありますね。

 

バイオマスの、いい原料になりますよ。

 

美観を損ねるソーラーパネルや荒れた山林を削減・整備し、美しい日本を取り戻しましょう。

 

観光地だけでなく、全国各地の山野の美観も改善され、インバウンドの観光客を魅了することは疑いありません。

 

春の桜や秋の紅葉だけでなく、豊かな緑の山野も日本の誇る自然風景です。

 

私の子供の頃には、全国各地の農村には、必ず水車小屋がいくつかあったものです。

 

我が国の自然に溶け込んだ、水車小屋のような小規模水力発電を普及させたらいかがですか。

 

自然災害に脆弱な山間の集落に人が住む必要はありません。

 

資源環境の保存に留意して、中・小規模のダムを作って発電したらどうでしょう。

 

美しく広がる水田にトンボが舞う。

 

瑞穂の国、秋津洲(あきつしま)を取り戻しましょう。

 

おまけ。

 

ポルトガルは国中にユーカリと黒松の植林をしていますが、日本と異なり花粉症はないそうです。

 

黒松の林には、松露に似たキノコが生えるようですが、ポルトガル人にはキノコを食べる習慣があまりなく、ほとんど利用されていないとのこと