(白い花水木)
今年は、西方教会も東方教会も4月20日の日曜日が復活祭です。
桜も終わりのこの時期になると、見ごろになってくるのが花水木ですね。
さて今回は、イエスキリストにゆかりの伝説がある花水木のお話です。
花水木は、北アメリカ原産のミズキ科の落葉高木。
花がヤマボウシに似ていますので、アメリカヤモボウシとも呼ばれています。
4月から5月にかけて4弁の花を開きますが、花に見えるのは4枚の包葉です。
包葉の色には、白、ピンク、赤があります。
カナダからフロリダまでの北アメリカ東海岸、内陸ではミシシッピ川あたりまで自生しています。
西海岸やロッキー山脈ではみられません。
アパラチア山脈を、南のジョージアから北のメインまで、初春から晩春にかけて開花が移動する模様は、桜前線のように花水木前線として報道されることもあります。
特に、ジョージアからノースカロライナにかけて、アパラチア山脈を南北に走るブルーリッジパークウエイ(Blue Ridge Parkway)沿いの野生ハナミズキの群落は有名です。
(Blue Ridge Parkway)
アメリカではドッグウッドと呼ばれ、バージニアの州花となっています。
日本へは、1912年に東京市長の尾崎行雄がサクラの苗木をワシントンDCに寄贈した返礼として、1915年に贈られ日比谷公園、小石川植物園などに植えられました。
ワシントンDCの桜と異なり、贈られた花水木のほとんどは戦争中に伐採され、現在原木は東京都立園芸高校に残されたものだけです。
今では、日本国中の公園などでみられます。水戸市内でも、結構多く植えられています。
ウメ、コブシ、サクラの花が終わるこの時期、水戸の市内で目につく花は花水木です。
(水戸市国際交流会館の花水木)
ワシントンDCのサクラと並んで、日米親善の象徴的な花と云うことでしょうか。
水戸市備前町の国際交流会館には、大きな花水木が何本かあります。
(水戸市国際交流会館の花水木)
(水戸市国際交流会館の花水木)
その他では、50号線と千波小学校から千波大橋にかけて、街路樹として植えられています。
ちょうど復活祭が終わった頃から、咲き始めるハナミズキには、こんな言い伝えがあります。
イエスキリストが処刑された十字架には、花水木の木が使われました。
そのため、花水木の花はその後十字架と同じ4弁となり、キリストの4つの聖痕に似た傷跡が、花弁の先端にできたと云うことです。
(花水木の花と4つの聖痕)
最もらしい話ですが、そもそも花水木はイスラエルにはありません。
この話の初出は1950年頃で、20世紀以降にできた、最新のアメリカ合衆国製キリスト伝説と思われます。
dogwoodの由来ですが、一説では17世紀頃に樹皮の煮汁が、犬の皮膚病治療に使われたためと云われています。
他の説は、木製の串を意味する「dag」または「dog」を作る材料として用いられた堅い木であったからと云うものです。
花期が長いことから、花言葉は「永続」です。
4月になってからの暖かさのせいか、復活祭を待たずに水戸の花水木が咲き始めました。