英国の皇太子妃キャサリンが、ビデオメッセージで自分ががんであり、予防的な化学療法中である、と告白。
このニュースが、世界的な話題となっています。
キャサリン妃は昨年末より体調を崩し、1月中旬に入院し1月16日に腹部の手術をされました。
この時の公式発表では、10~14日の入院治療予定とされていました。
病名は、未だに発表されいません。
以下は私の推測ですが、キャサリン妃の罹患したのは卵巣がんの可能性が高いと思います。
卵巣がんの患者数は米国でおよそ年間2万3千人、日本では1万人ががんにかかり約4800人が死亡しています。
卵巣がんは、今でも早期診断の難しいがんの一つです。
初期の卵巣がんは、自覚症状がほとんどありません。
おなかがはるなどの症状がでて受診したときには、すでにがんが進行していることも少なくないのです。
超音波やCT・MRIなどの画像診断では良性卵巣腫瘍との鑑別が難しく、手術によって組織を採取することにより診断が確定します。
キャサリン妃も術後の組織診でがんが判明したと話していました。
腹腔内に播種したⅢ期以降でみつかることが多く、5年生存率はⅢ期46%、Ⅳ期で25%と現在でも予後は良好とはいえない状況です。
卵巣がんの治療には、手術と化学療法(抗がん剤治療)があります。
標準的な術式は、両側卵巣と卵管、子宮、大網を摘出します。
手術後には術中診断に基づいて化学療法が行われます。
卵巣がんに対する標準治療は、タキサン製剤とプラチナ製剤の併用療法(TC療法)です。
また。卵巣がんは遺伝的素因に基づく遺伝子異常・分子異常により発症するものがあります。
このような例では、がん増殖に関連する分子を標的とする分子標的薬も併用して用いられます。
おまけ
NHKの人気ドラマ、「ブギウギ」は本日(3月29日)に終了しました。
ご存じのように、このドラマはブギの女王と呼ばれた笠置シズコをモデルにしたものです。
笠置シズコは、1985年3月30日(明日ですね)、70歳でその生涯を閉じました。
死因は、卵巣がんと伝わっています。