地震による災害死をまとめました)

 

我が国では、大正時代以降に死者が5000人を超える大地震が3回ありました。

 

1923年の関東大震災、1955年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災です。

 

関東大震災は昼食時に発生、台所で火を使っていた家庭も多く、136件もの地震火災が発生しました。

 

(関東大震災では、火災により多くの人が亡くなりました)

 

この地震による約10万5千人の死者の内、87%の人は地震火災で亡くなりました。

 

一方、阪神・淡路大震災の場合では、死者(6400人以上)の8割以上は、1981年以前に建てられた不適格住宅の倒壊による圧死でした。

 

(阪神・淡路大地震では、死亡者の多くは圧死でした)

 

東日本大震災では、2万960人の死者・行方不明者の9割以上が、津波による溺死であることが判明しています。

 

(ご存じのように東日本大震災の死亡者の多くは津波で亡くなりました)

 

この様な、地震被害に与える要因を整理してみましょう。

 

要因は、自然要因、人為的要因、個人的要因の三つに分けられます。

 

自然要因

 

発生した場所、季節、天候、発生時刻、地滑り、津波、余震などが挙げられます。

 

人為的要因

 

危険物の存在:火災の発生、ダムの崩壊など。

 

構造物関連:建築様式、耐震化の有無、老朽化、不法建築など。

 

非構造物関連:家具、書棚や大型家電などの配置や固定の有無など。

 

個人的要因

 

建物内での居住者の位置、閉じ込めの状況、救出までの時間など。

 

以上の過去に起きた大地震を参考にして、今後に発生が予想されている2つの大地震についても災害死について予測されています。

 

最初は首都圏直下地震です。

 

都心南部が震源となる最悪の場合、死者数は首都圏全体で2万3千人、その約7割は火災による死亡と予測されています。

 

次は、南海トラフ地震です。

 

死者数は最大で32万3千人、その7割は津波による死亡、2.5割は建物の倒壊による圧死と予測されています。

 

いずれの地震でも、最大の被害が生じた場合、東日本大震災より多い死亡者がでると考えられています。

 

地震災害に影響する3つの要因の内、改善できるものは今から対策を打っておくことが賢明です