参議院補欠選挙は、自民党の一勝一敗。
岸田首相は、なんとか面目を保った形で終わりました。
しかし、所沢市長選挙では野党候補に敗北。
宮城県議会選挙でも、自民党と公明党は議員の数を、大きく減らしています。
自民党の幹部にとっては、都市部での敗北である後者の方が、ショックが大きかった事でしょう。
自民党内の調査では、今衆議院解散を行えば、自公民の与党は最大60議席を失う、との予測が出たそうです。
岸田総理のもくろんだ、年内早期衆院解散は不発に終わりました。
今後の、政治動向について、政治評論家の嘘月飛夫先生に、お話を伺ったので紹介します。
嘘月飛夫
まずは、今後の政治日程を確認しておこう。
来年、2024年9月に自民党総裁選挙。
2025年7月、参議院選挙。
2025年10月、衆議院議員任期切れ。
衆議院に関しては首相に解散権があるため、2025年10月前に解散となる可能性もあるな。
猫の大学者クロ先生のよく言う、「歴史は繰り返さないが、韻をふむ」というマーク・トゥエーンの名言を思いだして欲しい。
ここで時計の針を2020年の夏に戻してみよう。
異次元の金融緩和で消費税増税という、チグハグな経済政策によるアベノミクスの不成功。
モリ・カケ・サクラの3大スキャンダル、新型コロナ対策の不手際、混迷するオリンピック対策。
これらの不手際で、支持率を大きく落とした安倍首相は、持病の再発を理由に8月になって辞任を表明したのじゃ。
自民党総裁として三期8年、任期を1年残しての辞任じゃった。
2020年9月14日に、臨時自民党総裁選挙が行われた。
1位管義偉、2位岸田文雄、3位石破茂だったな。
こうして、9月に安部内閣を引き継いで、管自民・公明連立政権が発足したのじゃ。
さて、管政権発足時の政治日程を振り返ってみよう。
翌、2021年9月には、自民党総裁選挙がある。
また、2021年10月22日は衆議院議員の任期が満了。
そして、2022年7月には参議院選挙が控えておったのじゃ。
現在の岸田政権の政治日程と、よく似ておるじゃろう。
管首相にとっては、自民党総裁選前に衆議院を解散し、そして勝利することが、首相続行の必要条件じゃったのだな。
だが、新型コロナの蔓延、東京オリンピック開催問題、経済の低迷と、安倍政権末期のような際だった失政はなかったが、支持率は低迷。
2021年、オリンピック終了後の9月、管首相は自民党総裁選前の衆議院解散を試みた。
しかし、落選を恐れる自民党議員のもう反発で、衆院解散は不発に終わったのじゃ。
こうして、死に体になった管首相は辞任。
9月の総裁選挙で、河野太郎を破った岸田文雄が、自民党総裁・内閣総理大臣になったのじゃ。
以上、管政権末期の政情、現在の岸田政権とよく似ておるじゃろう。
息子の不始末で、味噌をつけたことも、同じじゃったなあー。
来年は広島サミットのような、支持率上昇が期待できるイベントもない。
今までの経緯をみれば、支持率を改善する新政策も期待できまい。
岸田政権は、徐々に支持率をさげて、野垂れ死にじゃ。
来年の夏になれば、2025年7月の参議院選挙、10月の衆議院議員任期満了は目の前じゃ。
今の国会議員は、当選して議員特権を守ることしか、考えておらん奴らばかりじゃ。
特に世襲議員なんぞは、日本を良くしよう、政治改革断行しようなどとは、まったく考えておらん。
既得権益維持の権化のような連中だ。
自民党議員の大半は世襲議員だから、次の選挙で勝てないような総裁は、絶対に選ばないわけじゃな。
今期で、引退と噂されている派閥のボス、麻生・二階の両氏も総裁選前の衆院解散は望んでおらん。
まあ、こんな理由で岸田文雄氏が、来年9月次期総裁に選ばれることは、絶対にないんじゃなー。
さて、それではポスト岸田は、誰になるのか。
うすうす気づいておる人もいるじやろう。
残念ながらその解説は、次回のお楽しみじゃ。
コツ・コツ。