胃がんを含む多くの上部消化管疾患の原因がピロリ菌と判明し、医療機関で除菌を行う人が増えてきました。

 

残念なことに、現時点では2割近い人が除菌失敗となり、2回目あるは3回目の除菌を行っているのが現状です。

 

今回、浜松医大のデータを基に愛知学院大学のグループから、ピロリ除菌とお酒に関する報告がありましたので紹介します。

 

 

 

結果です。


飲酒によるIgE上昇は、ピロリ菌除菌の失敗因子となるようです。

 

愛知学院大のグループは、すでにIgE高値の患者では、除菌が失敗しやすいことを報告しています。

 

また、スペインからは飲酒とIgE値上昇との関連が報告されていました。

 

今回の研究は、ピロリ菌除菌目的の男女受診者250例を対象としたものです。

 

この内、ほぼ半数が飲酒ありでした。

 

検討の結果、飲酒あり群では飲酒なし群と比較して、明らかにIgE値が高くなっていました。

 

男女の比較では、男性では明らかに上昇していましたが、女性ではその程度は少ないようです。

 

以上の成績から、この報告では、ピロリ菌除菌者における飲酒習慣に関連したIgE値上昇は、除菌失敗に繋がるため、日常的な飲酒は除菌時には好ましくないとしています。