那珂川の河口にある海門橋の大洗側に川と対岸の那珂湊を見渡す小さな休憩所があります。

 

このあたりから、願入寺に向かって小さな谷が湾入しています。

 

 

この谷の願入寺側は先細って岬のように河口に突き出ています。

 

その先端に木々に囲まれて建っているのが、天妃神社、天妃さんです。

 

 

元禄3年7月、徳川光圀は心越禅師が中国から持参した天妃の木像を祀った神社を、漁民の安全を願って大洗に創建しました。

 

(天妃像 台湾では媽祖)

 

天妃神は、元、明の時代から航海神として信仰されるようになりました。

 

現在も台湾では篤く信仰されています。

 

(横浜中華街の媽祖廟)

 

江戸期を通じて、天妃神社は海上安全、大漁満足、商売繁盛の御利益があるとして、大洗、那珂湊、平磯地方の漁業関係者から篤く信仰されました。

 

幕末期になると、徳川斉昭が異国の神を祀るのはけしからんと難癖をつけます。

 

祭神を弟橘比売に改め、弟橘比売を祀る神社としたのです。

 

それ以来、魚がとれなくなり、この地の漁民や船主の生活は困窮するようになりました。

 

結局、斉昭の死後になって再び天妃神を祀るようになります。

 

現在でも正式の祭神は、弟橘比売命、社名は弟橘比売神社です。

 

しかしながら、地元の人も天妃祭りと天妃さんは知っていても、弟橘比売のことはすっかり忘れ去られているようです。

 

 

縁もゆかりの無いこの地で祀られて、弟橘比売命も迷惑だったのでしょう。

 

本当に徳川斉昭は、幕末の狂人です。

 

 

現在、放送中のNHK大河ドラマで徳川斉昭には竹中直人がキャスティングされています。

 

どうです、この解釈で間違いはないでしょう。

 

さて、天妃神社のふもとにある、古民家を利用したカフェがキャラメル・ママです。

 

(キャラメルママ)

 

奥様がパテシエ。 

 

定年退職後の夫婦が経営するお店です。

 

たまたま、ブログの取材で天妃神社にお参りした時に、このお店を見つけて立ち寄りました。

 

コロナ禍の今、玄関でケーキと飲み物を注文し庭に回って、縁側から家にあがりテーブルでいただきます。

 

現在は、紙のお皿に紙コップですが、本来は凝った食器でサーブされていたようです。

 

(果物がたくさん入ったロールケーキを美味しく頂きました)

 

ケーキだけを購入することもできます。

 

良く管理された和風の庭を眺めながら、美味しくケーキとコーヒーをいただきました。

 

(キャラメルママの和風の庭)

 

天妃さんを訪れた際には、ぜひキャラメル・ママでお茶をされることをお勧めします。