オミクロン株の感染爆発が始まりました。


デルタ株のブレークスルー感染が増加する前に、オミクロン株が急に蔓延した理由は、沖縄をはじめとする米軍基地からの感染流入でしょう。


若い米兵は、米国人の中でも健康意識の低い集団と思われます。


マスク好きの日本人と異なり、どうして欧米人はマスクをしないのでしょうか。


それには、理由がありますます。


そもそもマスクの使用は、他者に感染させないように行うと云う発想により生じたものです。

 

マスクをする人を想像して下さい。

 

まず思い浮かぶのは、手術室の情景でしょう。手術台の患者さんは、マスクをしていません。

 


 


マスクをしているのは、医療スタッフです。これは、手術室を清浄に保って、感染リスクの高い患者さんを感染から守るためです。

 

私の経験ですが、内科の医局に入局して、内科医の修行を始めたばかりの頃のことです。

 

そのころ、結核患者を収容する結核病棟の患者さんを担当するのは、研修医を終了した新人内科医の仕事でした。

 

この病棟では、患者さんだけでなく、担当の医師と看護師もマスクをしていました。

 

一般の病棟では、患者さんも医師も看護師もマスクなどしていません。

 

つまり、呼吸器疾患など感染症の原則は、症状が有るものにマスクを着用させる。

 

あるいは症状が有るものに接する場合に、自分を感染から守るためマスクをするというものです。

 

しかし、新型コロナウイルス感染症では、無症状の者が他者に感染させることが分かっています。

 


 


この無症状だが感染性のある者を判別することは難しく、症状の有る者にマスクをさせる従来の方法では対応できなくなってしまいました。

 

このため、用いられるようなったのが、常にマスクをするやりかたです。

 

日本や東アジアの国々では、日常的に行われていた習慣ですが、欧米ではマスクは病人がするものと考えられていました。

 

感染症防止の対策として、マスクを積極的に使用することは社会的に受け入れられていなかったのです。

 

しかし、アジア諸国でのCOVID-19感染症防止成功の1因として、マスクの日常的使用があげられると、欧米諸国でもマスクに対する見方が変わってきました。

 

この流れを、決定づけたのが2020年5月にNew England Journal of Medicine に掲載された論文です。

 

この論文は、医療機関の職員が日常的にマスクを使用することで感染を減らすことができた事実から、COVID-19感染予防対策としてマスクの日常的な使用を勧めたものです。

 

論文のタイトルは、Universal Masking in Hospitals in the Covid-19 Era でした。

 

この論文の掲載後、欧米諸国では感染予防のため日常的にマスクをすることを、「ユニバーサルマスキング」と呼ぶようになりました。

 


 


新しい用語ですが、ユニバーサルマスキング、覚えてくださいね。

 

最後に、マスクをしたままの運動は過度の負担が身体にかかり有害です。


冬の今は大丈夫ですが、これから暑くなると熱中症のリスクも出てきます。

 

状況に応じた、上手なマスク着用が肝心です。