戦後の大量輸送を支えた4扉通勤電車、73系。その北限は東北の仙石線でした。
仙石線の72・73系は、旧型国電らしからぬ鮮やかなウグイス色で塗装され、またベンチレーターや側窓など、随所に仙石線独自の特徴があり、初めて画像を見た時の印象は鮮烈なもので、ゲタ電73系4両編成キットの発売もあって製作をするに至ったのです。
キットから製作するのはMc-T-M-Tcのオーソドックスな4連で、車号はMcからクモハ73303-サハ78153-モハ72251-クハ79232に決定。実際にこの編成が組まれたかどうかは不明ですが、自分の好みで同時期に陸前原ノ町電車区に所属していた4両を選びました。
また、時期的には70年代はじめの警戒帯が入っていなかった頃で、クモハ73は木枠サッシ、クハ79は助手席窓のみ木枠、全車アコモB工事施工で、モハ72251のみベンチレーター未交換として組むことにします。
早速モハ72の加工から。仙石車のアコモB改造車は窓がオリジナルの三段窓から詰木そのまま二段窓に改造されているため、一旦窓桟を全て落とします。
続いて腰高を解消するため裏のリブを削除。0.5mm上に1mmのプラ角帽で再建。
そして0.3mmプラ板をスライスして作った窓桟をはめ込みます。この時点ではHゴムは未成型です。
Hゴム成型作業。左から未施工、四隅にパテ、プラ板切り抜き×2です。
プラ板切り抜きは中々難しく綺麗な形が出しにくいので、今回はこれ以降パテ工法を採用。
こうなりました。まだベンチレーターの穴は開けていません。
同様にしてサハ78も加工。仙石車特有の押込みベンチレーターに換装するため、0.3mmプラ板を切り出して台座を再現。
ベンチレーター本体は塗装後の取付になります。
ヒケも溶きパテでしっかり処理。
並行して動力ユニットの加工。車高下げのため、ダイカストと一体成型の床下機器の間に1mmプラ角棒を挟み込んでいます。
続いてHゴム前面のクハ79232。クハ79のこのタイプの前面は収録されていないため、クモハ73のHゴム前面から切り抜いて取り付け。ジャンパー栓は40系の低屋根用妻板からスライスして持ってきました。
73系仙石車の特徴でもあるタブレット保護柵はファインモールドの金網を加工して取り付け。ちなみにこの後窓桟の色入れに難儀することになります……
こちらもベンチレーター交換車なので台座をt0.3で表現。この時点ではベンチレーターはまだ仮置きです。
クモハ73を組み上げ。加工内容はクハ79やサハ78などとほぼ同様ですが、前面の通風孔跡を削り平滑にしています。
これで4両全車が箱になりました。
また、プラ製ライトはいただけないので別な仕掛りからライトを抜き取って取付。
お次はいよいよ塗装の紹介です。
-次回に続く-