製本アーティストの、飛ぶ本こと山崎曜です。

7月7日から個展をします。

展示タイトルは、？と！　

今回も、個展に出す作品、２点紹介します。

アクリル板の間に色々ものを入れる、というやり方で「表紙」を作っているうちに、

ノートや楽譜の表紙である、ということから完全に離れて、自立して飾るだけのものにしてみたらどうか、と思い、小さな屏風というスタイルができました。

屏風、は、鎌倉時代に日本でできたものです。

大きな特徴は、各平面が紙の蝶番で繋がれていることです。この紙の蝶番が、良く思いついたな〜というシンプルかつトリッキーな構造で、どちら向きにも開閉可能なのです。

（多分、元々は屏風が簡単に破損しないように考え出されたのではないか、と思います。）

私の作品は糸で縫い合わせていたので、それをそのまま使って、この紙蝶番の構造を作ってみました。

立てた見え方は、こんな感じです。動画で動かしてるのをみると、トリッキーな様子がわかります。

畳んだ状態で立てると、こんな感じです。

綿、銅とステンレスの細かい金網、寒冷紗など、半ば向こうの見える素材をかさねて、奥行きのある霧の中のような気分が作り出されました。

平置きするとこんなです。

使い古した蛍光灯のグローランプは、すすけた紫色がとても好きなので、入れました。

以下のものは、ほぼ同じ素材を使って、屏風ではなく、1枚というのか、うすべったい箱だけにしてみた作品です。

厚みがあれば、１面でも立てることはできるな、と思いついて、シンプル化しました。

縞々に見えているのがモアレです。銅の細かい金網と、ステンレスの細かい金網、両方とも適当に凸凹させたものを重ねて入れることで、モアレ（干渉縞）が現れます。

手で持って、いろんな角度でみたりすると忙しくチラチラして、それが私にはとても気持ちがいい刺激です。動画に撮るとその効果がかなり弱まるのがまた面白いです。（前回の、アルミ穴あき板のモアレは、サイズが大きいせいか割りに良く見えていました）

視点がひとつになっちゃうからかなと思いました。金網素材は、このように少し凸凹させると、陰影や光沢もすごく魅力的です。

はすから見るとこんな様子。

気づいてみれば、ボックスアートとも言えるものになりました。両面からシースルーなボックスアートですね。

屏風状の作品、箱状の作品