毎日多くのお問い合わせをいただき、またカウンセリングにいらしていただきありがとうございます
本クリニックの主な治療内容
1)脚延長手術
2)小児成長ホルモン治療
3)O脚矯正手術
4)切らない椎間板ヘルニアレーザー治療
5)骨・関節・靱帯・腱損傷(変形性関節症、離断性骨軟骨炎、骨壊死、腱炎・靱帯損傷など)に対するPRP治療
上記治療にご興味のある方、治療をご検討されている方は以下のHPよりご確認ください



本日はFitboneについてお話します
・Fitbone

先日お話した、PRECICEが販売される前は
アメリカでは
Dr. Paley ⇒ ISKD
Dr. Birch ⇒ Fitbone
を主に使っていました
FItboneのHP
http://www.wittenstein-intens.de/fitbone/en/
を見ると、今でもBirch先生の名前が出ていますね
しかし、去年の11月からBirch先生はFitboneを使っていません。使用を中止しました。
なぜでしょうか?
2.Fitbone
これも比較的新しい髄内釘です
1997年にドイツで開発が進められ、2000年に入ってからヨーロッパ・アメリカで使われるようになりました。
髄内釘で大たい骨(ふともも)を延長する場合、PRECICE・ISKD・Betzbone・ Albizziaは全て股関節の方から入れます。

しかし、Fitboneは
膝から入れます

手術をする側(医師)からすると、Fitboneのように膝から入れた方が簡単です。
時間もかかりません。
しかし、Fitboneには2つの大きな問題がありました。
これが理由で、アメリカではFDAの認可が取り消しになったのです。
(問題点)
髄内釘を入れる方向が異なると、骨を分割する位置が変わります
Fitboneは膝の上、その他の髄内釘は股関節の近くになります

どちらで骨を分割しても創外固定ならば問題になりません
しかし、髄内釘で延長を行う場合、膝の周囲での骨切りは大きな問題があったのです
このレントゲンを見てください
子供です
重要な事は2つあって、脛骨(けいこつ)が本来の位置から後ろに脱臼しています
もう一つは、膝の軟骨がすり減っている(子供なのにご高齢の方のように軟骨がなくなってしまっているのです)

どうしてこのような事が起こってしまったのでしょうか?????
膝の解剖です

筋肉の名前までは知る必要がないのですが、膝の後ろには沢山の筋肉と靱帯が存在します。髄内釘1本で支えられる程、人間の膝周りの筋肉は弱くありません。
これらの筋肉と靱帯が、延長に伴って脛の骨を後ろに引っ張ってしまうのですね。
また、Fitboneは

特殊なシリコンチューブが髄内釘から出ており、これが膝関節内に残ります
そのため、歩行するときにこのシリコンチューブが膝の軟骨を痛め、変形を進めているのでは??
とも考えられています
いずれにしても、Fitboneは
利点:手術手技が楽
欠点:戻すことができないトラブルが多い(膝の脱臼・軟骨損傷)
と言う事になります。
上記理由から、当クリニックではFitboneは使用いたしません。
では、明日はISKDについてお話します


