以前書いたブログ記事です。
正解を教える、覚えさせるというやり方はせず、対話をしながら考える習慣を身に付けてもらいたいと色々工夫しておりました。
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誰が一番えらいのか？2006/05/記
毎週火曜日は、地元の中央学院大学法学部で講義をしています。
科目は、「総合講座Ａ」で政治、地方自治に関する入門編として、いろいろな角度でお話をしています。
16日に行った授業のタイトルが、今回の表題「誰が一番えらいのか？」でした。
＊ここでの「えらい」は、人間的にえらいかどうかではありません。あくまでも、立場としてです。
大学で、一番えらいのは誰か？
日本で一番えらいのは誰か？
と学生に問いかけます。
大学では、学長、理事長、学生などの意見が出てきます。
日本では、総理大臣、天皇、国民といった意見が大半です。
次の問いは、「なぜえらいのか？」です。
とたんに、答えに窮してしまいます。
総理大臣が「えらい」のは、政治（政府）の中心にいて、一番大きな権限を持っているから。
と答える学生。
私が、さらに聞きます。
私：その総理大臣を選ぶのは誰か？
学生：国会議員。（正確には、国会議員から国会の議決で選ぶと答えた方がいいでしょう）
私：その国会議員を選ぶのは誰か？
学生：国民。あっ、国民が一番えらいのかな？
ここまでが、くだらない受験レベルの勉強です。
そんなことでは許さないのが、私の授業。
私：でも選挙以外で、国民が何かできるのか？何か、国に対する要望があったとき、君は、いつでも小泉さんに会いにいけるのか？
学生：いえ。
私：では、本当に国民はえらいのか？
学生：？？？？
別の学生に
私：君は天皇と言ったけど、なぜ？
学生：よくわからないけど。そう教わったから。
私：他には？
学生：憲法に、日本国民の象徴と書いてあるし。
私：じゃあ、国民よりも天皇の方がえらいんだ。
学生：たぶん・・・
私：天皇は、だれが選ぶの？少なくても、私は、選んでないけど。
学生：？？？？？
私：国民が選んでいない人が、一番えらいなら、北○鮮と日本とどこが違うのか？
国民が民主的に選挙で選んだヒトラーは、なぜ、独裁者と呼ばれるのか？
学生：？？？？？？
以下、延々と私の質問攻めにあう学生たち。
別に決まった答えなどありません。
日本国憲法に、国民主権を掲げ、実質的な権限がないとはいえ天皇制を存続させているから、誰が一番えらいのかわからなくなっているだけです。
しいて答えを言うなら、「日本に一番えらいひとは、存在しない。」ということでしょうか。
それは、ともかく。私の講義は、何かを教えたりしません。
受験勉強の中で、決まった答えだけを期待するだけの人間になってしまっている学生たちの脳みそをいったんリセットする作業ともいえます。
130名ほどいる教室を、動き回りながらマイクを向けていくのですから、学生に寝てる暇はありません。