ギャグ漫画の歴史は「山上たつひこ以前 / 以後」で大きく変わったとは、よく言われる。
 多分、赤塚不二夫も同じことを言われただろうし、細かく言えばキリがない様に思うけど、俺の世代では、この二大巨匠にリアルタイムで出会っているので、取り敢えずは「変わった」説に賛成だ。

 ま、それでも「がきデカ」と全く同時期に掲載誌である「少年チャンピオン」では、吾妻ひでお、鴨川つばめと言う、やはりギャグ漫画の歴史に大きく名を残した変革者もいるので、難しいところだ。ビートルズに対するストーンズやビーチボーイズと言ったところだろうか。





 先日、少女漫画界でやはりギャグ漫画の革命児だった「土田よしこ」が亡くなられたが、奇しくも彼女は山上たつひこと同い年。吾妻ひでおは二つ年下。俗に言う少女漫画界の「花の24年組」は、このギャグ漫画界のビッグ3の間に入ると言う、凄い世代である。
 ちなみに、鴨川つばめは、高橋留美子と同い年。俺の世代である。



 そして、山上たつひこ「以後」に登場したのが、田村信。山上たつひこ「直系」で、ヒット作は「できんボーイ」が有名だが、「あっかんマン」が好きである。
 同じ頃、新田たつおも「ガクエン遊び人」で、山上たつひこフォロワーだったが、その後「静かなるドン」などで作風は変わっていった。



 作風からはあまり影響を感じないが、デビュー時のペンネームが「山止たつひこ」と、モロに影響を受けていたのが、「こち亀」で一世を風靡した秋本治。

 70年代半ばから80年代にかけては、とにかくギャグ漫画界は人材、才能、ヒット作が多く、枚挙にいとまがないが、それらについて書けるほど俺には知識がないので、この辺で。