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 レアと言えばレア、とは言いつつも入手はさほど難しくはないと言う、微妙な位置にある「ブツ」……それがこの「朝日ソノラマ」から1970年に発売された「ソノシート」、「`70真夏の青春」である。
 俺はおそらくこれを1972年くらいにレコード屋で(普通に)買っているんだけど、多分その時は拓郎はかなりメジャーになっていたはずで、このソノシートはデッドストックになっていたのを(人気にあやかって)急遽再発売されたのではないだろうかという気がする。






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 ま、その辺の話の前にこのジャケット(と言うか、これは一応ボックス仕様、「17cmLP 3枚組」つまりは33回転のシングル盤3枚セットってこと)、いやあ、これを買った72年当時でも「若い!」と思ったくらいだから、今見るともう誰だか分からん人もいるでしょうねえ。
 裏ジャケ(と言うか、箱の裏側)はダサイ高校生みたいだ! ま、ギターを担いでいるって言うのがもう(当時でも)時代錯誤で、渡り鳥シリーズだってすでに笑い話のネタになっていたくらいだからねえ。いやいや、70年、凄い年です。
 
 
 

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 で、さっきのデッドストック云々ですが、つまりはこのソノシートはタイトルにあるように「1970年」に発売されたと思うんだよね。まだ、拓郎はエレックレコードからデビューアルバム「青春の詩」を出す前で、これがおそらくソロメジャーデビューのはず。
 で、数年後、ブレイクした拓郎人気にあやかろうと、当時はさして売れなかっただろうソノシートを倉庫から引っぱりだした……
 それが如実に分かるのは、70年当時の拓郎を写したピンナップ写真と、さらには明らかに後からつけ足したであろうその後の拓郎の写真がこのソノシートボックスの中で混在しているからである。例えば、この写真の手前に写っているのは明らかに「小室さん」である。多分、エレックから出た「たくろう オンステージ第2集」なんかに使われた写真、ってことは、71年の渋谷のジャンジャンのライブの頃かも。
 
 





 
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 何故か裏焼きの写真だが、これも前述の頃か。
 
 
 
 




 
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 これはもっと後かな、エレキを持っているところからすると、さらには言えばだいぶ太ってきている(笑)
 俺が買ったのは、この(72年)再発売バージョンである。それでもまあ、結構最初の頃に買った事になるのかな。で、あんまし珍しくないと言ったのは、これはその後70年代の末くらいにまたまた再発売されて(多分、全く同じ仕様だったはず。つまりはさらなるデッドストックの放出?)、結構市場に出回ったからだ。最近でも中古盤屋で見かけたけど、まあ数千円単位での良心的な価格で店頭にあったのを覚えている……で、さっきヤフオクあたりではいくらなんだろうかって見てみたら、あんた、何とこれが「58000円」! おいおいσ(^_^;)アセアセ...
 ま、これは出品者の付けた価格で、おそらくはメチャクチャ高価なんだろうと思う(入札なし、だったしね)。
 
 
 
 


 
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などと言う検証はともあれ、プロになってからの拓郎の最初期の録音である。後々のアルバムには入らなかった曲やライブのみの曲のスタジオバージョンが入っているし、「人間なんて」で加藤和彦のアレンジが有名な「自殺の詩」も素朴な感じで入っているし、俺の大好きな「静」(後に「歌酔曲」というタイトルで再レコーディング)もあるし、と。
 まあ、ソノシートってのが、なかなか、うらぶれた感じが漂っていると言うか……と言う事、つまりはデビューが「ソノシート」ってことを結構拓郎は気にしていたと言うか、トラウマだったらしく、後々(70年代ですよ)に自分のラジオ番組に「アイドル」のオネーチャンをゲストに迎えた時に(誰だったろう、南沙織かキャンディーズか、あるいは浅田美代子か)、彼女が今度新曲を出しますと言う話をするや、「それ、ソノシート?」「え?(明らかに拓郎の言っている意味が解らない)」「(笑いながら)いやいや、レコードだよね」などとかましていたのを思いだす。当時も、ああ拓郎は自分がソノシートデビューだったのを気にしているんだなあと思ったよなあ。拓郎ってそういう風に簡単に「気持ち」が視聴者やファンにばれてしまうという、希有な性格の持ち主なんだよねえ。その「弱さ」がもしかしたら最大の魅力のような気もする。


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 しかし、1970年の拓郎、若いぞ!
 
 
 
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