このブログは一応吉田拓郎のアーカイブネタを中心に話しているわけだけど、一つ宣言と言うか、ご注意いただきたいのは、これが「資料的な正確さ」を狙ったものではないと言う事。特に資料としてまとめ様とか、発表したいとかそういう意図はまるでないということです。
 例えば拓郎の未発表音源であるとか、深夜放送の録音であるとか、(例えばあるとして)雑誌連載エッセイであるとか、そういうものをコンプリートにするとか、集めたいとか、そういうのも全く俺にはないんですね。基本は部屋に転がっている、拓郎的なもの(?)を紹介したい、と。ま、ある程度は自分の中でまとめ的な部分はあるものの、気持ちとしては遊びに来た友達に、「おい、拓郎の深夜放送のテープあるけど、聞く?」と言うような中学生的な気分がほとんどである事は間違いないんだよなあ。
 
 と言う事で、色々とこれからもここで様々なものを紹介する事にはなるとは思うけど、そのつど分かる範囲で正確なデータを記載するつもりではいるけど、でもそれはホント「分かる範囲」なんで、その辺はご容赦願いたいと思う次第でございます。まかり間違ってもその手の「御質問」などお答えできるものではないので気を付けてください。いやいや、そんなのはネットで調べれば奇特な方々の「記録」や「お言葉」が氾濫しておりますので、そちらでよろしくお願いいたします。
 
 などと、逃げの姿勢を示しておりますが、ま。
 
 で、やっぱ、今まで同様に部屋に落ちていたカセットテープ。昔も今もずぼらな俺なんで、テープのケースにもテープ本体にも何も書いていない。テープは「HITACHI LN C60」って、まあ当時の安物ローノイズテープだ。「HITACHI」ってことは要は「マクセル」である。それの親会社ブランド名で出ているテープって事かな、多分。
 で、これを聞いてみると、あなた、中身は「拓郎のセイヤング」の第一回放送分じゃあーりませんか、ってわざとらしいけど、本当に知らずに聞いてみてそうだったから仕方がない。正直、拓郎が「セイヤング」をやっていたってのは忘れていたわ。「パックインミュージック」「オールナイトニッポン」はもちろん有名だし、その前のラジオ関東の「ニューミュージックムーブメント」や「フォークビレッジ」なんかもよく聞いていたもんだけど、この「セイヤング」は何故か印象が薄いんだよね。
 で、俺はネットで調べました。あるのね、「セイヤング」の資料って。ありがとうございます。それによりますと、拓郎は「1978年4月」からセイヤングの金曜日を担当しております。ふむふむ、78年かあ。それで分かった。俺はこの年の7月から地獄のような忙しさの中に突入してしまったんだよなあ。だから深夜放送もそれまでのように律儀に聞くと言う事が出来なくなったんだなあ、と、個人的な事で個人的に納得しました。
 
 で、この放送。一回目では何故か電話ゲストで「長谷川きよし」が出ております。ちょうど、同じ時に長谷川きよしは「セイヤング」の木曜日を担当するようになったようで、それもあり、さらにそれまでの拓郎との親交もあったんで、電話でゲストとなったんでしょうね。
 で、ここではファンの間では有名な「長谷川きよしはスリーフィンガーが出来ない」話の元ネタ(?)を二人で話しております。そもそもはもっと前に(多分「パックインミュージック」の頃かな)拓郎が長谷川きよしにスリーフィンガーを教え、その時に拓郎は長谷川きよしから「習った」のはギターのボディを指で「タララン」と鳴らすところだけ、てな話でしたか(どこかにその話をしている時のテープがあるはず)。
 で、その時に拓郎は「長谷川きよしはスリーフィンガーが出来ないんだよね」って話をしていて、今回のセイヤングの電話でも「スリーフィンガー出来るようになった?」と聞いて、長谷川きよしに「うるせえな」と言われております。拓郎は結構こういう「いじり方」が大好きで、もっと後、1986年くらいに開催された「オールトゥゲザーナウ」てな、よく訳の分からない日本のフォークロック系のミュージシャン大集合的なイベント(これについては、いずれ)で、かの「はっぴいえんど」が一回限りの再結成なる事をやった時に(総合司会だった)拓郎が、ドラムの「松本隆」に向って「ドラム、うまくなったねえ」などと他の人では言えない冗談を飛ばしていたのを思いだしました。
 何かね、そういう印象ってみんなあんまりないかも知れないけど、拓郎は楽器や唄のテクニックに関して結構色々発言することが多かったんだよね(「俺は音程が悪い」とか)。今はどうだか知らないけど。ま、当時(70年代初頭)では結構そういうミュージシャン同士の値踏みの仕方ってのは普通だったのかも知れないけど。誰それがこういうテクニックを持ってるとか、知ってるとか、って重要な情報だったんだろうね。確か、ポールとジョンの出会いもその辺の事がらみだったような気がします。
 
 で、このセイヤングで拓郎は電話の後に、「いや、彼はきっとスリーフィンガーは出来るんだよ。でもね、出来ないって言った方が(話としては)面白いじゃない(笑)」と言っておりました。ショーもないやつだ(笑)


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 などと、今回は画像なし……にしようと思ったけど、全く話には関係ないけど、前回の「ヤングフォーク」の付録に付いていた、「唄本」と言うか「楽譜集」の表紙を。いやいや、加川良ですねえ、良い笑顔です。ではまた次回。