訓練と習熟について

 

 

書籍「システムトレード 基本と原則」ペンフォールド氏の魔術師へのインタビューでは、20人ぐらいインタビューしている。そのなかのレイバロス氏。1970年からトレードに関する研究は進んでいるのに今日のトレーダーの勝率が変わらないのは何故か?という問題設定に対して以下のように結論している→

 

1トレーディングの性質。少し勝たせてから多くを失う。誰もが経験するだろう。

 

2従来からある原則に欠けがある。従来あるものとは→エッジ*資金管理*メンタルの原則。初心者は聖杯探しに夢中になり。「聖杯にたどり着けば少額資金でシンプルなトレードを繰り返すことで巨額の富を築ける」と思っている。これが間違っていることに気づき、3原則に則り手仕舞い戦略や試行回数を考慮した期待値に基づく戦略を練ることが出来るようになる。レイバロスはここまでの事は「システムトレード 基本と原則」に記してある。そうえで、

 

欠けているのは”訓練”と言う。ダニエルコイルが定義する”深い訓練”が足りてないと。(※ダニエルコイル氏は著作は『才能を伸ばすシンプルな本』などで、そんな感じの本を書いている人、信念は「理性と感情が紐づいて初めて実戦できる」らしい。”深い訓練”については書籍に詳しくのっているらしい。)

レイバロスは続いて「トレード計画とトレード結果に注目して、その都度反省を得れば、成功する確率は高くなる」と説明する。著者のペンフォールドはレイバロスのインタビューを絶賛したうえで、深い訓練で得られる能力(実行能力)に、本書のTESTプロセスが有効だろうと補足している。

 

※TESTプロセスは頭文字とったみらい。30回トレードをメールで事前に送るべしみたいなの。裁量トレードでも考えて実行する以上、言語化出来ないから誤魔化すなよと説明している。確かにめんどいけど有効だと思う。

 

 

トレーディングエッジ入門 ボーヨーダー氏も関連分野について言及している。

ドーパミンに着目したうえで、トレーダーがトレードを実行することの難しさを説いている。

著者はトレーダー先生みたいな仕事もしてる。「顧客にはトレードがより良い人生を送るための手段として、そして感情を理解してコントロールして欲しいと願っているが、実際には強迫観念や依存的行動が見られる」

脳はドーパミンで喜びや幸せを感じるが、予期しない喜びに対してより多くのドーパミンが出る機能もある。猿の実験

1回目の実験・・・赤色のランプが点灯させて、猿がレバーを引いたら餌をあげる

2回目の実験・・・赤ランプは餌あり、緑は餌なし

3回目の実験・・・色も報酬のタイミングもランダム

 

1回目の実験、餌をもらえる最初の3回目ぐらいまではドーパミン強い→だんだん弱くなる。2回目の実験、報酬の有無に関わらずランプの色によって報酬有無があると学んだ時に強いドーパミン。3回目、ずっとドーパミン。ランダムに報酬をもらえない時でも、潜在報酬を期待したと思われドーパミンが強かった。

 

ヨーダー氏は、2回目のドーパミンの性質を「調べたらり勉強したりしながら戦略を立てることに満足して、導入する段階になると失敗する人」「新しいパターンを発見して良い気持ちに満たされることを求めているだけで、実行することに関心が薄い」と結論づけている。

また3回目を「最も興味深い実験結果」としている。

確かに心当たりがあるのは、1日で負けが込んだりすると、その日の始まりで(たった数時間で)持てなかった巨大なポジションサイズで取引しても大丈夫になったりする不思議が起こる。

ここら辺は何度も表現を変えて言及している

「ドーパミンレベルを高く保つ方法を探し求め続ける我々は、良い気持ちになるために次々と戦略を変えて見えない何かを追い続ける」

「儲かるトレードは退屈であるべき」

「一定の時間と一定の試行回数を経て、トレード計画によりストレスが高まる状況を想定して、ランダムに起こるスリル(ドーパミン)すら最初から排除すべき」

「それでも我々は取りつかれたように新しいエッジを探そうとする」

「人間にはパターンを発見しユニークな方法を探すことが習性なので」

 

 

あとはこの分野はタープ博士。ボーヨーダ史がトレーダーをタイプAとタイプBに分類したように、またTwitterインフルエンサーの真似トレをしても成績をあげられなかった事例のように、自分を知ることだったり、自分に合った売買をすることは間違いなく重要である。

2冊のうち上巻は意味分らん、ここではポジションサイジング入門について。

神経言語プログラミングの専門家でありトレーディングコーチを生業とするタープ博士(本当に博士号かは知らんけどね)。自分を分析することが、最優先最重要(文字通り、最も重要。そんな事ある?と懐疑的な自分もいる)と説く。

トレーダーになるためにの章P35では、

1、自分を知る事 2訓練すること(やり方と結果にだけ強い関心を示す人が多すぎる)。ただもがき苦しむ必要があると思い込んでる人も間違い。苦しむ必要はない。自分を知ってやるべき事をやるだけ 3完璧思考を排除すること。市場の全てを理解する必要はない。例:あるトレーダー「強く上昇しているのを買う。下がったら損切、それだけ」新しいアイデアを模索し続けるのも大凶。 4自尊心に欠けるのもNG。「貴方はトレードに成功すれば、誇らしい自分を手に入れられると思っていないか?」と問われる。(ドキッとしてしまうな。多くの人が夢想するよ)タープ博士が言いたいのは「自尊心が高い→トレードで成功であって、トレード成功→自尊心が高くなるではない」らしい。

 

成功するトレーダが定期的に見つめ直す自己評価について

1、ビジネスプランは立てたか?

2、今の市場について理解しているか?(仮説を持っているか?の意味かな)

3、トレード結果は自分の責任であることを理解しているか?改善できるか。

4、損小利大は間違いなく実践できるか

5、市場分析に合わせた戦術を持っているか?

6、戦術のエッジはテストしたか?R倍数は?分布図は?

7、戦術のPPサイクルやマーケット適合性は分かってるのか?

8、ドローダウンと目標パフォーマンスは明確か?

9、ポジションサイジングはあるか?

10、最も重要なのは自分、自己改善に重きをおけているか?

11、心理的な問題は抱えていないか?

12、トレーディングの重要事項を実践できるか?

13、規律を保てるか?

 

そしてトレーダの分類について。

「長年の経験からトレーダーには誰でもなれるわけではない事、タイプがある事を学んだ。生まれながらトレーダーもいれば、身に付くのに悪戦苦闘が必要な人もいる」

としたうえで、15の社会的人格によってトレーダーを分類している。

また自尊心が高い事の重要性(自尊心が高いと何故成功するのか?言い訳しないで自己改善に取り組むから)や、自己分析の要点(トレーダー日記の書き方)について言及している。(誰のアドバイスか忘れたけど、トレード日記にはトレード根拠だけでなく、トレード中の心理状態もメモすると良いと)

 

他にも沢山あるけど、長くなりすぎるのでここまで。

 

<まとめ>

自分がどういった心理的特徴を持つのか?(新しい戦略を探したがるなど~マーケットの振り返り中に違うことを始めてしまう、あるいはトレードの最中に感じる心理推移、ビジネスプランはこれだけ言われても面倒くさいから立てない等)

そのた”深い訓練”とTESTとトレード日記を通じて、実践的振り返りの段階に進もうと思う。当面はテーマ「トレードのために」はお休みにした方が良い。