こんばんは。


とてもとても
伝えたいことがあるのに
うまく言葉が出てこないなと
いま実感しています。


だからまた大好きな詩人の
谷川俊太郎さんの力をお借りします。





【 なんでもいいひとつ 】

ひとつ
なんでもいいひとつ
それさえあればいきていける
それからすべてがはじまる
そんなひとつ
それがつかめれば
からだはみずのようにうごき
きもちはひのようにもえ
ことばはよみがえる
そんなひとつ
ひとつだけでいい
ひとつが
いい





以前に一度載せたことがありますが再度


【 泣いているきみ 


泣いているきみのとなりに座って
ぼくはきみの胸の中の草原を想う
ぼくが行ったことのないそこで
きみは広い広い空にむかって歌っている


泣いているきみが好きだ
笑っているきみと同じくらい
哀しみはいつもどこにでもあって
それはいつか必ず歓びへと溶けていく


泣いているわけをぼくは訊ねない
たとえそれがぼくのせいだとしても
いまきみはぼくの手のとどかないところで
世界に抱きしめられている


きみの涙のひとしずくのうちに
あらゆる時代のあらゆる人々がいて
ぼくは彼らにむかって言うだろう


泣いているきみが好きだと







【 ありがとう 】

空 ありがとう
今日も私の上にいてくれて
曇っていても分かるよ
宇宙へと青くひろがっているのが


花 ありがとう
今日も咲いていてくれて
明日は散ってしまうかもしれない
でも匂いも色も もう私の一部


お母さん ありがとう
私を生んでくれて
口に出すのは照れくさいから
一度っきりしか言わないけれど


でも誰だろう なんだろう
私に私をくれたのは?
限りない世界に向かって私は呟く
私 ありがとう








おやすみなさい。