と言って、Aちゃんは、笑いました。教室で、「みんなの名前をそれぞれ書いてあげて」とAちゃんに言った時の事でした。知らないはずはないのに・・。
言われたTちゃんは、本気で嫌な顔をしています。
またある時、Tちゃんがあいさつをして座ろうとした時、AちゃんがスッとTちゃんの椅子をずらし、慌てるTちゃんを見て笑います。
今まで、そんなことをする子ではなかったのに、ここ何回かそんな姿が目につきました。なので、
少し強い口調で言いました。すると、
「こっちの近くに座ってもらおうと思って、いすをずらしただけなのに・・」
と言います。
本気でいじめてやろうと思っていないことは、分かっていますが、こうした瞬間は見逃してはいけないと思うのです。
根っからのいじめっ子でなくても、知らない間に、いじめの加害者になることだってあると思うからです。根はいい子でも、自分の中でイライラすること、むしゃくしゃすること、何かに不満を持っていることなどがある時、そのイライラを自分より弱い者に、自分でも無意識にぶつけてしまうこともあります。その時、大人からそれはダメ!と言ってもらうことで、フッと自分でも気づくことがあります。
Tちゃんも、Aちゃんからいたずらをされたとき、笑いながら「やめて」と言っています。笑っていても、ただふざけているんだと片付けてはいけないように思うのです。
ある小学校に授業で行ったときも、体の大きい子が、体の小さい子の上に乗っかって、プロレスごっこをしていました。ただのプロレスごっこで、遊んでいるだけだと言います。体の小さい子も「大丈夫です」と言います。でも、あきらかにいじめているとかんじたので、「それ以上はやめなさい!」と本気な顔をして怒ると、しぶしぶやめて教室に帰りました。男の子はこのくらいの遊びはさせなくては・・・という意見も耳にしますし、その考え方も一理あるとは思うのですが、私はやっぱり過敏すぎるかもしれませんが、こうした瞬間は見逃せません。
エスカレートする前に、イジメの芽をつんでおきたいのです。もちろん、放っておいても、イジメにまで発展しないのかもしれませんが、私はしつこく、本人がそこまで思っていなくても、注意していこうと思います。これがベストだと断言するわけではないのですが・・。