重症熱性血小板減少症候群(SFTS: severe fever with thrombocytopenia syndrome)はダニが運ぶ感染症です。
SFTSは2013年に国内で初めて報告された比較的新しい感染症です。
2017年3月以前は、発症するのは人だけと考えられていましたが、2017年4月にネコ, 2017年6月にイヌでの発症が見つかりました。
これまで人498人(2020年1月29日時点)、ネコ150頭, イヌ9頭(2019年6月30日時点)のSFTS発症が確認されています。
感染経路
SFTS保有マダニの刺咬、または発症しているヒト・動物の血液や体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染することが確認されています。
国内でも猫から感染したと思われる人の死亡症例が報告されています。
症状
SFTSウイルスに感染すると6日〜2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が多くの症例で見られ、頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などを起こします。
ヒトでの致死率は6.3〜30%と報告されており、ネコでは60-70%, イヌでは29%と獣医領域でも非常に問題になりつつあります。
SFTSの患者は、西日本を中心に発生していますが、徐々に患者発生の地域が広がっています。
また、患者が報告された地域以外でもSFTSウイルスを保有するマダニや、感染動物が見つかっています。
SFTS患者の発生が確認されていない地域でも注意が必要です。
治療法
治療は対症的な方法しかなく、有効な薬剤やワクチンはありません。
私たちにできることはマダニに咬まれることを予防することのみです。
当院では、わんちゃん、ねこちゃんの感染と、人への感染を防ぐためにノミ・マダニの通年予防をおすすめしています。
「フィプロスポット」「レボリューションプラス」「ネクスガードスペクトラ」「ネクスガード」「シンパリカ」「ブラベクト」でマダニの予防が可能です。