パターン脱毛症
特発性(原因不明)に発生する脱毛性疾患で、ダックスフンド・ボストンテリア・チワワ・イタリアン・グレーハウンド・チャウチャウ・ミニチュアピンシェルなどで発症しやすいです。
主な発生部位は、鼻先・耳介が多く、脱毛部位はくろずみ、炎症などはありません。
また、頭部や太もも、腹部に見られることもあります。
この病気は脱毛だけしか起こさないので、治療の必要はありません。
ただ、どんどん毛が薄くなってくるので、美容上気になってしまうようであれば治療します。
治療には、メラトニンという松果体ホルモンを使用しますが、反応には個体差があります。
当院での症例
鼻先が黒ずんで脱毛、耳介も脱毛を主訴に来院
特に炎症もなく、きれいに脱毛していました
パターン脱毛症を疑い、皮膚掻把試験・皮膚糸状菌培養検査・皮膚パンチ生検などを実施しました。
寄生虫陰性、糸状菌陰性、非炎症性脱毛、発毛休止期などの所見からパターン性脱毛と診断し、メラトニンを開始しました。
メラトニン開始1カ月
短い毛ですが徐々に毛が生えてきました。
鼻の脱毛も改善しました。
メラトニンを3カ月で休薬し、現在も良好です。
パターン脱毛症はダックスで比較的多い病気です。
炎症などはないが、毛が薄い子はパターン脱毛症かもしれません。
見た目が気になるようであればお近くの動物病院に相談してみましょう。