ホルネル症候群 | 戸部ウータン動物病院のブログ

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ホルネル症候群


犬のホルネル症候群とは、視床下部から眼球まで走行する頸部交感神経路の周辺で異常が発生した状態を言い、ホーナー症候群とも呼ばれます。ヒマワリ


主な症状としては

・瞳孔が小さくなる

・瞬膜が露出する

・眼球が落ちくぼむ

・まぶたが垂れ下がる

などがみられます。もみじ


原因としては

・内耳炎

・中耳炎

・椎間板ヘルニア

・外傷

・腫瘍

・膿瘍

などで交感神経の障害でおきることが知られています。チューリップ赤


ゴールデンレトリバーなどでは突発性(特に原因がない)で起きることが多いです。チューリップ紫


似たような症状でブドウ膜炎という眼の病気の場合もありますので注意が必要です。チューリップオレンジ



当院での症例


突然目が開かないということで来院されました。晴れ



瞬膜が目を覆ってしまい、よく観察できません。ねこへび


フェニレフリンという点眼薬を点眼したところ劇的な改善がありました。うり坊



この点眼薬で改善がある場合、ホルネル症候群が疑われます。クローバー


頸部の神経障害の原因を探さなければいけません。ブーケ2


ゴールデンさんなので突発性ということもあります。ブーケ1


軽度の外耳炎、歯肉炎がありました。しっぽフリフリ


レントゲン検査する限りでは、ヘルニア、中耳炎、内耳炎を疑う所見はありませんでした。わんわん


さらに詳しく検査するにはCTが必要です。天使


眼の傷もなく、眼圧は少し低下していましたが、ブドウ膜炎を疑われるような他の症状はありませんでした。黄色い花


無麻酔の検査では軽度外耳炎と眼圧低下ぐらいしか異常がみられませんでしたので、抗生剤とステロイド点眼で治療してみました。クマ


しかし、改善がありませんでした。馬


オーナー様と相談し、CTは麻酔が必要な為希望されませんでいたのでステロイドを全身投与を短期間試しました。ウサギ


すると瞬膜がもとに戻りました。チューリップ黄


確定診断はついていませんが、どこかに炎症があったのかもしれません。クマ


今後要経過観察が必要です。虹