不正咬合
不正咬合は、骨格のズレから生じる骨格性不正咬合と歯の生え方から生じる歯性不正咬合に分けられます。
これは、遺伝的な原因が大きいとされています。
特に、小型犬、短頭種は顎自体が小さいので、歯が十分に生えるスペースが小さい、乳歯が遺残しやすいなどの原因により歯性不正咬合が多いです。
歯と歯がぶつかって摩耗してしまう、、将来的に歯周病にかかりやすい、歯が口腔内粘膜に当たり傷つけてしまうなどがあれば、治療適応となります。
治療方法は、歯科矯正、歯冠切断、抜歯があります。
当院での症例
生後6カ月でうちの実家の海の歯をチェックしたら、不正咬合と歯髄壊死がありました。
左下顎犬歯が左上顎第3切歯にぶつかっています。
犬歯もまだ生え途中でもっと生えてくるはずです。
すでに上顎第3切歯は犬歯に押されて変な方向に生えてきています。
右下顎犬歯乳歯が黒く変色しています。
歯折しており、歯髄壊死しています。歯肉も黒く変色して、歯周病も波及しています。
また下顎犬歯が上顎第3切歯にぶつかっています。
上顎犬歯には乳歯遺残もあります。
小さいとき、何回か下痢嘔吐、若齢性脂肪織炎で死にそうになった海。
おそらくその時の栄養不良などによる成長不良が原因かと・・・。
兄妹は全員歯並びもよく、大型犬は比較的不正咬合になりずらいものです。
避妊手術と同時に、左右上顎第3切歯抜歯、遺残乳歯犬歯を抜歯しました。
これで下顎犬歯に当たる歯がなくなったので、問題なく成長してくれると思います。