昔は血液検査装置が高額で、外注検査を行なう病院が多かったようです。
しかし、外注検査は検査時間が半日ぐらいかかってしまいますので、
緊急の病気のとき検査結果がすぐわからず、適切な治療が遅れてしまう可能性がありました。
最近では機器の値段も下がり、動物病院でも設置されている病院がほとんどのようです。
血液は全身を隅々まで巡っているため、様々な情報を教えてくれる貴重な情報源です。
多くの病気の早期発見と早期治療が可能です。
血液検査は以下のようなものがあります。
血液一般検査
血液の代表的な成分である赤血球、白血球、血小板の形や量を調べることにより、
貧血や白血病、感染症、血小板減少症などの診断に重要な検査です。
生化学検査
生化学検査を行うことにより、体の代謝、各種臓器の機能、障害の程度、老廃物の蓄積状況
などがわかります。
ホルモン病などでは代謝に異常が起きることが多いので、病気の検出につながります。
凝固・線溶検査
血液が固まるのを凝固といい、逆に血液のかたまりが溶けていくのと線溶をいいます。
正常では両方のバランスがうまくいっています。
出血の症状がみられるとき、手術をする前などに検査を行います。
ホルモン検査
わんちゃん、ねこちゃんは老齢になってくるとホルモンの病気になる子が多いです。
ホルモンの病気は症状が多く、いろいろな病気を併発します。
一見関係のないような病気もホルモン病が関わっていることが多いです。
免疫・血清学検査
体には、もともと体内にない細菌や異物が侵入してくると、
それらに抵抗する抗体という物質を作り、体を守ろうとする働きがあります。
血液に抗体ができているかどうか、またどのくらいの量の抗体なのかを調べるのが
免疫・血清学的検査です。
アレルギー検査、ウイルスや細菌の感染の有無などを調べることができます。
これらのいろいろな検査を組み合わせて病気の診断をしていきます。