同じ職場で頑張る事の大事さ | 褥瘡ゼロを目指す 看護師の日記

褥瘡ゼロを目指す 看護師の日記

褥瘡ゼロを目指す看護師です。介護施設で働く看護師の日記。療養する全ての人が自分で動けなくても、意思表示出来なくても、穏やかに居られるように手伝いたい。その他の興味が向いた事も。

特別養護老人ホームで働いている。

その前は、4年間包括病床含む療養病棟勤務だった。

治療に必要なため、抑制帯で縛らなければならなかったのが耐えられなかった。縛らないで、と泣いて訴えられても、私にはどうすることもできなかった。治療には抑制しなければならない時もあるから、私は病院にずっと勤務することはできないと判断した。

そして、特別養護老人ホームで働いて、体を縛ることは無く、身体拘束に対するストレスは無く、基本的に楽しく働いている。

特養は看護師が何でもやらないといけなくて、とくに今の施設は、レントゲンもあるし、全員年2回はレントゲンを行う。毎日施設医が朝から夕方まで勤務し、加えて整形、精神の医師が週1ずつ往診がある。

医者がいる安心感と、いつでも指示が出るから病棟並みに忙しい。

採血は、3ヶ月毎に行い、インスリン、点滴、ポート、胃瘻、腎瘻、ストーマいろいろあり、160床ある。病状も重い方が来られ、医療度が高い。

家族説明、利用者の今後の見通し立て、必要な援助を検討したり、医療機関につなげたり、外部ヘルパーや介護タクシーも時には手配する。

いろんな業者とも話をしないといけないし、もちろん利用者の要望にも応えなければならない。

160人分の薬の配薬セットも半日かかり。

大抵の看護師は、ゆっくり働けると思って特養に来るが、現実を見てすぐに辞めていく。

「私にはできない」「こなせる自信がない」

働き始めから、すぐに「私、出来てないから無理だと思う」という人は、どんだけ自分が有能だと思っているんだろうか。

はじめはできなくて当たり前。

何についても、聞きながら、人がやってる事を真似ながら、自分ができるようになっていくしか無い。

そのインプットの期間はどうしても負荷がかかるものだ。その苦痛も無く、一足飛びにできる状態になるのは無理な話なのに。

1年経てば、動けるようになる、それまでサポートするから頑張りましょう!と励ましなから頑張ってきた人たちは、皆辞めて行った。常勤職員は私一人になった。そこから、1人、また1人、と入職されて、半年で私除いて4人の常勤さんが勤めている。

今また新たなメンバーとこれから頑張ろう!と励まし合っている。5月に1人が体調不良になり、休みがちな時があった。このまま辞めていくのでは、と心配していたが、案の定2ヶ月後に退職させてほしいと要望があった。

入職して、3ヶ月経過で一番きついときと思う。覚えることが沢山だし、利用者の状態も把握していない不安感も大きい。

私はそのナースに、「体調が回復するまで頑張らなくていい、今感じている仕事のストレスは時間が解決するから、それまでできない自分を責めないこと、周りのメンバーは、本人が気にしている程、できていないとは思ってないこと、あとひと月経ったら感じ方が変わっているはず」と伝えた。

一緒に働くメンバーに苦手な人がいないなら、職場は変えない方が40歳台はいいと思う。40代は今までそれなりに仕事してきた自負もあり、できない自分が、受け止められないようだ。

環境変化に適応が難しくなるため、新しく覚えることも大変だし、今まで出来ていたことが出来なくなり、自信を失ってしまう期間がどうしても発生する。解決には同じところに慣れるまで続けることしかないが、当事者からしたら、職場が合わないからやめたほうがいいと判断するようだ。

合わない、と判断した内容を細かく聞いていくと、「状態が悪いと判断しても、どう対応していいか分からない」「急変の時に動けなかった」「新しく覚えることが多くて、パニックになる」など、新しい職場での対応に馴染んてないための動き辛さが理由だ。だったら、馴染むまで続けたら解決では?

正解だったかどうかは、そのナースが勤続1年たったころに尋ねてみようかな。

とりあえず、退職は撤回してもらえて、一安心。