突然ですが愛鳥に日光浴をさせていますか?
当家の場合、月に数回です。
少ない!
可哀そうじゃん!
と思われるかもですが、何故、日光浴が必要なのかご存じですか?
「そ、そりゃあ、あれだ、あれ、ビタミンDが必要だから」
「骨が丈夫になる為だ」
だいたい、そんな感じです。
説明すると・・・
紫外線(UVB)を浴びると、体内で7‐デヒドロコレステリンからビタミンD3が合成されます。
そのビタミンD3はカルシウムやリンの腸管吸収を促し、骨の形成を促進するのです。
勘違いしている方もいると思いますが、ビタミンD3が骨を丈夫にする訳ではありませんよ。
カルシウムは別途取る必要があるのです。
当家の場合、ヨウ素対策、カルシウム対策、クチバシ摩耗としてボレー粉を常設していますので、問題ありません。
アキクサインコのチャチャやハルは適度にボレー粉をバリバリ食べています。
つまり、原料のカルシウムは必要十分。
問題はカルシウムを体内に吸収させるビタミンD3の合成。
でもね、ビタミンD3は体内で合成させる以外にも取得できるのです。
そこで出てくるのがネクトンSもしくはネクトンBIO。
当家の鳥たちは通常時はネクトンS、換羽時はネクトンBIOの飲水を365日飲んでいます。
ネクトンにはビタミンD3が含有されているのです。
とは言え、十分ではないですし、日光浴には精神的なメリットも多いので月に数回は行っています。
ご存じかと思いますが、ガラス越しの日光浴は無意味です。
ビタミンD3の合成に必要な紫外線はUVBなのですが、ガラスやアクリル樹脂を通り抜けることは出来ないのです。
UVAと呼ばれる紫外線はガラスを通過できますが、ビタミン合成には関係ありません。
(UVAは日焼けの原因になるので、人間で言えばガラス越しでも肌は日焼けします)
そうそう、当家のアキクサ達の日光浴回数が少ない本当の理由があるのです。
それは赤目だから。
アキクサインコの赤目は弱い個体の比率も高い。
チャチャとハルに関して言えば、問題はありませんよ。
でもね、赤目というのはメラニン色素が抜けているのです。
これはアキクサに限らず、セキセイインコやオカメインコもフィンチも同じです。
一見、赤くて綺麗なのですが、それは眼球の奥にある血管が見えているからなのです。
これって、実を言うと恐ろしいことなのです。
人間の話を少々。
黒人と言われている方々は皮膚が黒く、目も黒い。
これは、体内にメラニン色素が豊富にあるからなのです。
メラニン色素は紫外線から体や目を守ってくれているのです。
赤道を中心として緯度が高くなってくると、人間の皮膚の色はだんだん白くなっていきます。
長い進化の過程でそうなったのです。
これは緯度が高くなると紫外線が弱くなっていくことと関係しています。
金髪や青い目の外国人ってカッコいいなんて思うかも知れませんが・・・
メラニン色素が抜けている証拠なので、紫外線には弱いのです。
だから、白人の方ってサングラスを良くしていますよね。
それは、黒人に比べて光に弱く眩しく感じているのです。
知ってましたか?
鳥の話に戻ると・・・
メラニン色素が抜けて血管が見えてしまうというのはヤバい。
だって紫外線から守ってくれるメラニン色素が無いのだから。
知らない鳥飼さんは、1時間も2時間も赤目の鳥を太陽に晒してしまう。
もちろん、良かれと思っているのは分かるのですが・・・
鳥本人は眩しく辛い地獄のような時間だと思います。
個体によっては長時間の日光浴で目が損傷する可能性があります。
当家の場合(赤目のアキクサインコ)の日光浴の時間は・・・
今の時期は紫外線が強いので10~15分で十分です。
紫外線は曇りや雨でも降り注いでいます。
(曇りは晴天の60%、雨は晴天の30%)
目的がビタミンD3の合成だけならば、雨降りで1時間程度の日光浴でもよいのです。
そうすることで、眩しさは軽減されつつも有効な紫外線を浴びることが出来るのです。
ビタミンD3にフォーカスしましたが、日光浴には様々な効果がありますので必要なことに変わりはありません。
そして黒目の鳥は炎天下でなければ1~2時間でも問題ありません。
紫外線(UVB)は多くの生き物にとって必要です。
爬虫類なんかは日光浴をするのが難しい場合もあります。
ですから爬虫類飼いさんはUVBライトという物をうまく使っています。
UVBライトは様々な形状がありますので、鳥にも転用できます。
ちなみに・・・当家もUVBライトを使っていた時もあったのですが・・・
速攻、壊れた 笑
だから、今は使っていません。
おわり
追伸、
赤目と黒目では日光浴によるダメージやリスクは全く違います。
日光浴は必要なので30分~1時間程度してください的な発信をしている方がいますが、そこは違います。
初心者なのでしょうが、情報を発信する以上は受け売りの適当な話ではダメです。
そんな情報を信じてしまう方もいるので、結局、赤目の鳥たちが辛い思いをしてしまう。
棘がある? 笑
でもね、たとえ私に関係ない鳥でも辛い思いをするのは悲しい、ほんと大きなお世話ですが・・・・