先日の「で、POTA (Parks on the Air)って何なの?」を見て日本でも多くの方にユーザ登録いただき始めたようで、今後が楽しみになってきたPOTA (Parks on the Air)です。今日はユーザ登録が終わった方が次はどうすれば良いのかを簡単に説明したいと思います。

※ 情報が少し古くなりつつありましたので、若干リライトしています(2022年5月7日)

■ハンターとして活躍する場合

公園から運用している方(アクティベータ)を見つけて交信をするハンターは特に何もする必要はありません。交信記録を本部に送ってデータ登録してもらう責任はアクティベーターにあります。だから交信するだけです。アクティベーターを見つけるにはこちらの「Active Spots」のページが便利です。アクティベーションの予定は「Scheduled Activations」のページから確認できます。こちらを見て準備して狙うのも楽しそうです。
また、Twitterをお使いであれば、POTA Spots Japan をフォローしておくと、日本国内でのアクティベーション開始をプッシュで通知してくれるので便利です。

■アクティベーターとして活躍する場合

(1) まず運用する公園を決める
 

 

まずは運用する公園を決めましょう。対象の公園はこちらの地図から確認できます。黄色い丸がおおよその場所になります。現在、国立公園、国定公園、国営公園、県立公園(全部ではない)をリストアップしています。国立公園や国定公園は指定エリアが広く、また複数の場所に分散していますが、エリア内からの運用であれば問題ありません。正確なエリアは公式な情報をベースに確認してください。また、場所によっては国立公園と県立公園が同じほぼ同じ名前で公園を名乗っていたり、隣り合う県同士でそれぞれ同じ名前の公園を持っていたりします。どちらの公園から運用するかは間違わないようご注意ください。

 

地図上、ローマ字化されている公園が日本語だとどの公園に該当するかは気になるかと思います。Slackの #activate-japanチャンネルに対応のExcelを格納していますので、ぜひSlackにお越しください。POTAの遊び方を日本語で議論できる場です。Slackが使えない方はご連絡いただければと思います。

 

公園のエリアを簡易に参考にしたければ、JL1NIEさんがまとめてくださっている MyAct.sotalive.net がお勧めです。POTA だけでなく、SOTAのピークや、WWFFの情報も参照できます。ボランティアで対応くださってますので、公式な情報を元にきちんと公園内から運用する責任は、もちろんアクティベーター自信にあります。


(2) 運用告知を行う

運用予定が決まったら、告知を行い、ハンターの皆さんに迎撃態勢を考えてもらいましょう。

 

POTAサイトのScheduled Activations から「+」をクリックします。
 

 

すると、ページの一番下に予定を登録するフォームが出てきますので、ここから登録します。ログインしていないと出てきませんのでご注意ください。次のように入力します。英語サイトですので、日本語は入れないようにしましょう。

Activator: 自分のコールサイン
Reference: 公園番号(JA-xxxx)
Start Date(UTC): 運用開始日(UTC換算で)
Start Time(UTC): 運用開始時間(UTC換算で)
End Date(UTC): 運用終了日(UTC換算で)
End Time(UTC): 運用終了時間(UTC換算で)
Frequency: 運用予定周波数(例えば、40m、20m、70cm 等)
Comments: 何か伝えたいことがあれば記載(例えば、FT8 等)




(3) 運用開始を知らせる

運用当日、公園でのセットアップが完了したら、運用開始をお知らせしましょう。

 

 

Active Spots ページの「+」を使用します。本来は、ハンターがアクティベーターを見つけた際に登録するページですが、アクティベータが自分で登録するのもOKです。次のように入力します。

Activator Callsign: 発見したアクティベータのコールサイン(ここでは自分のコールサイン)
Spotter Callsign: 発見した人のコールサイン(ここでは自分のコールサイン)
Frequency(kHz): 見つけた周波数をkHz表示で(ここでは、運用開始した周波数)
Park Reference: 公園番号(JA-xxxx)
Comments: 何かコメントがあれば記載 (運用モード等)



(4) 交信を楽しむ

運用開始がお知らせできたら、あとは交信を楽しみましょう。「CQ POTA」とか、「CQ Parks on the Air」と言ってCQを出すよう言われていますが、恥ずかしければ最初は強要しません(笑)。ただ、せっかくであれば仲間が増えた方が楽しいと思いますので、会話の中で触れてみるのは良いかと思います。
交信中に気にすることは特にありませんが、もし相手もPOTAのアクティベーターだった場合は、公園番号を聞いておきましょう。Park-2-Park として公園間交信を記録するためには、後述するログに記載する必要があります。

なお、運用した公園で10交信を達成すると、その公園のアクティベーションに成功です。


(5) ログを提出する

交信が終わって帰宅したら、なるべく日をあけずにログの提出を行いましょう。たとえ、10交信に満たず、その公園のアクティベーションに失敗したとしてもログの提出は必要です。なぜならば、アクティベーターが提出するログによってハンターのポイントは加算されていきますので。

 



ログの提出は公園毎にADIF形式のファイルで行います。アマチュア無線のロギングでは標準の形式ですね。LoTWやeQSLに提出するために使用している方も多いかと思います。POTAで必要な要素は下記になりますので、これだけは忘れずに含めるようにしてください。

<STATION_CALLSIGN> 自局のコールサイン(クラブ局だとOPERATORとは別)
<OPERATOR> 自局のコールサイン(通常はSTATIONと同じ)
<CALL> 交信相手のコールサイン
<QSO_DATE> 交信日YYYYMMDD(UTC)
<TIME_ON> 交信開始時間HHMM(UTC)
<BAND> 周波数(40m,20m,70cm等)
<MODE> モード(SSB、FT8)
<MY_SIG_INFO> 公園番号(JA-xxxx)
<SIG_INFO> 相手も公園の場合は相手の公園番号(P2Pになるため)


公園同士の交信(いわゆるP2P)の場合は、<SIG_INFO> に相手の公園番号を記載するのをお忘れなく。

ファイル名には、コールサイン、公園番号、アクティベーション日を含めることが必須とされています。

ファイル名:コールサイン@公園番号-アクティベーション日.adi


例えば、2020年10月17日にJO1LNKが所沢航空記念公園(JA-1180)で運用し、10月19日に提出したログは、こんな感じ。

 JO1LNK@JA-1180-20201017.adi

 

ADIFファイルをどう作るか、普段のログアプリからADIFを出力する場合でも、ゼロからADIFファイルを作る場合でもADIF Masterというソフトが便利そうです。 → おおいたbb88さんの「ADIF-masterでカラムを追加する方法」がとても参考になります。

(2020/10/19追加)
 

JL1NIE局さんが、Hamlog出力のCSVファイルをベースにPOTA提出用のADIFファイル生成してくれるサイトをご用意してくださいました。かなり助かるかと思います。私はこのサイトが無いとログが作れなくなりました(笑)。POTAだけでなくSOTAのログも同時に自動生成してくれますので、同時にPOTA/SOTAアクティベーションした場合でも便利です。

https://sotalive.net/logconv/

 

 

 

 

 

ログはメールで送ります。送り先は公式サイトのトップページにある「All Countries Regional Coordinators(for submitting logs)」を参照してください。コールサインに0が含まれれば K0@parksontheair.com へ。8が含まれれば K8@parksontheair.com へみたいな感じです。見ての通り、この後ファイルをデータベースにアップロードする処理はボランティアの方(コーディネータ)の対応になりますので、メール本文にも一言、添えてお送りするようにしたいですね。英語が苦手なら、機械翻訳でも良いと思います。気持ちが大事かと思います。なお、JL1NIEさんのサイトではメール送信も半自動化(テンプレート生成)されてますので、英語が苦手な方には便利かと思います。また、ログのセルフアップロード画面も開発中です。すべてボランティアですので感謝しかありません。

→ 2022/7/1 セルフアップロード機能がサポートされました!!

My Log Uploads 画面からADIFをアップロード可能です。

英語でログを送付することに抵抗感を感じていた方は、これで気軽にログ登録可能になりました。

 

※ 一点、ADIFファイルだけでは足りない情報がある点にご注意ください。国立公園や国定公園で多い、複数の県にまたがった公園での運用です。マルチロケーションの公園として扱われ、同じ公園でも運用する県で別々にカウントされます。この情報はファイル名やメール本文でコーディネータさんに伝えるようにしてください。

 

 ファイル名: JO1LNK@JA-0115-GM-20220504.adi (GMが群馬県を意味します)

 メール本文: Location JP-GM (JP-GMが群馬県を意味します)

 

 



(6) 時々、ドネーション

今や全世界で25,000人ほどが楽しんでるPOTAも、すべてボランティアにて運用されています。サーバもクラウド上で管理されています。技術のある方はぜひボランティアにご参加ください。私は提供できる技術がありませんので、時々ドネーションしています。 公式サイト にドネーションの案内があります。ただ、日本からはPayPalでのドネーションができません。すぐ下にあるGoogle Pay やApple Pay でのドネーションならOKです。

 


以上、思いつくままに書き並べましたが、皆さんのPOTA活動の参考になれば幸いです。
さて、あとは少しずつアクティベータ、ハンターとして楽しんでいきましょう。