私の父は、すぐ怒鳴ることがあった。

子供だった私への躾のつもりだっただろう。

優しさも持ち合わせていたが、攻撃的に私に怒鳴ることがあった。よく平手打ちもされていたな。

子供の頃の自分の気持ちを見つめるうちに、ふとそんな父の気持ちに意識が向いた。

怒鳴っている父。

そんな父は、心の奥で泣いているようだった。

…お父さん、あなたは、…泣いていたのだね。

不安や悲しみ(孤独感・無力感)が混ざって、ずーっと泣いていたのだね。まるで幼い子供のように泣いている。

…僕は、それを分かってあげられなかったね。ごめんね。

子供の頃の私には、できるはずもなかったことだけど。
私は父の顔色を伺っていたからね。
そのスタンスでは、できなかったね。

私はね、まっすぐ見つめなくてはならなかった。

なにせ、そんな風に気づいたのは最近のことでさ。

子供の頃は、できなかった…ふっふっふ、できる子供も、いるのかもね、中には。

そんなわけで、すまなかったね。
私がそうできていたら、きっとまた違った家庭だっただろうと思う。
100%があなたの責任ではない。僕も弱かったよ。言っても仕方のないことだけど、僕にも責任があった。

許しておくれ。