5/24立川志ら乃独演会「立川志ら乃、17才です。」~マクラがききたキャほかへ行け!~ | 落語探偵事務所

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☆立川志ら乃独演会「立川志ら乃、17才です。」~マクラがききたキャほかへ行け!~、2015年5月24日、於東京日本橋・お江戸日本橋亭。

☆演目

立川志ら乃「替り目」
立川志ら乃「転宅」
立川志ら乃「火焔太鼓」

仲入り

立川志ら乃「人情八百屋」

☆志ら乃師匠の独演会に行ってきました。まだ興奮がおさまりませんが、興奮したまま綴ります。
☆アメブロの「立川志ら乃のブログ」(http://ameblo.jp/st-blog/)やTwitter(https://twitter.com/tatekawashirano)にて、「人情八百屋 替り目 転宅 火焔太鼓」の4席が事前にネタ出しされていました。また「前座なし!マクラなし!落語以外は全くなしの百分間!!」という文言に釣られて、「これは行くべし!」と1週間ほど前から決めておき、水曜日に志ん朝師匠のCDを聴いてから丸4日間、だいたい100時間の「落語断ち」をして1席も落語を聴かず、今日の会に臨みました。
☆開口一番、前座なしで、マクラなしで「替り目」…と思いきや、「鳥獣戯画」を素材にした新作落語を作るために東京国立博物館で開催中の特別展「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」を連休明けの平日に観に行って、2時間半待ちしたことを…これはマクラではなく、「思い」であり、「トーク」だそうで。
☆「替り目」は、酔っぱらいの亭主のグダグダぶりというよりも、亭主の「お子ちゃまプレー」ぶりを強調した演出で、新鮮でした。
☆続いての「転宅」は、やはりマクラではなく「思い」「トーク」から入り…妾宅のすぐ近所のタバコ屋のオヤジが、間抜けな泥棒をこき下ろしまくって、オヤジ自身もしゃべって笑って楽しむことを相当に強調した口演で、観客もオヤジのこき下ろしトークに引かれて爆笑するという構図の演出に感動しました(日本語がおかしいですね。まだ興奮していて表現がまとまりません)。これも新鮮でした。
☆「火焔太鼓」もまた新鮮な口演でした。江戸の道具屋が、平成の笑いの要素を取り入れた妄想に取りつかれて暴走する演出に工夫があったのでしょうか(?)。何が面白いのか分析できませんでしたが、ともかく面白かったという印象が強く残りました。
☆仲入り後は、本当にマクラなし「思い」なし「トーク」なしで、座布団に座りお辞儀をして即「人情八百屋」本編に入りました。噺自体は本来は湿っぽい人情噺だと思いますが、志ら乃師匠の口演はからっと乾いていて、暖かい気持ちにさせるもので、幕が下りた後、さわやかな気分になりました。
☆熱演の4席に興奮しっぱなしの100分間でした。「いったい、志ら乃師匠って落語家の誰に似ているんだろう?誰にも似ていない?強いて言うならどことなく家元に似ている感じもするけど、やっぱり違うかな?なんで噺が新鮮で面白いのだろう?現代的の(平成の)笑いの要素を取り入れたくすぐりは分かるけど、それ以外の独自の工夫を観客に悟らせない工夫が凝らされているのかな?今度『談志亡き後の真打ち』と『うじうじ』を読んで、また考えてみようか?」と問答しながら帰路に着きました。