トップページでそんな事を言いつつ、ひとつだけ。

知人の、子供の頃のハナシです。



彼の幼少時の住まいは、お父さん方の実家がごく近かったので、

週1~2くらいは、普通にじいちゃんばあちゃんちで寝泊まりしてたとか。


物心ついた時からそんなんで、いつもは、ばあちゃんが添い寝してくれて

いたんですが、ある夏の夜は、親戚が集まるような法事かなんかがあって、

ばあちゃんなしで寝る事になったらしい。


昼間はうるさい蝉の声も陽が落ちると止み、夜の虫もまだそうは鳴かない時期で、

静かな夜だったが、そこそこ広い田舎屋のむこうの部屋からは、

親戚たちの歓談が漏れ聞こえているので、そんなに寂しくもない。


うとうとしているうち、ふと目を開けると、

枕元に白髭を生やかした見知らぬおじさんが立って、自分を見下ろしてたそうです。

頬がこけ、やつれた感じでも、ふわっと笑んで、優しそうなおじさんが。


だれだろう? と思いつつも、親戚の誰かだと何となく納得し、

そのまま、まどろんだ次第。

なにせ、親戚はやたらと一杯いるので、誰が誰やら、子供心には認識しきれて

いなかったのです。

だから、まあ、そのまま、寝ちゃったと。


そして、翌日かそのまた翌日か、数日後か、彼の記憶は定かではありませんが、

彼は、いわゆる遠縁の親戚の通夜だか葬式だかに行ったんですって。

ずっと入院療養中だった方が亡くなったからなんですが。

その亡くなった親戚ってのが、その、枕元に立ってた、まさに、その人だったと。

白い髭の。

ーあ、あのおじさんだ...。

ついこないだ会った親戚のおじさんが死んじゃったと言うのは、

子供の彼にとっては結構ショックだったそうです。


しかし。


両親とかじじばばとかに、「この人、こないだ来てたよね?」みたいに訊いても、

来てる訳がないと。ずっと、病院で寝てたんだからと言われる。

いやでも、こないだ、この人いたもん。

と、思っても、相手にされなさそうで、その言葉は胸にしまっていたそうです。


そんな訳で、今でも割り切れなく、あれは、あの夜見たのは、何だったんだろうと、

彼は、そう訝しんでいるそうです。


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          (↑)想像再現図 白い髭のおじさん。



あ~、ぜんっぜん怖くないなぁ~。

聞いた時は、けっこうゾッとしたんだけどなぁ..,。