東京スカイツリー。
この名が発表された時には、「何じゃそりゃぁぁぁ」と思ったものですが、慣れるものですね。
今では全く違和感を感じなくなりました。
高さ634m。世界一高い自立式鉄塔であり、ブルジュ・ハリファ(828m)に次ぐ、世界で二番目に高い
人工建造物なのはご存知の通り(2014年6月時点)。
高さは、”武蔵国(むさしのくに)”にちなんだとは、有名な話です。
(最初は、東京タワーの倍って事で666mにしようとしたが、設計者に「そこまではやめといた方がいい」
と言われてちょっと低くしたとか。)

鉄塔で文字通り史上最高だったのは、
ポーランドにあったワルシャワ・ラジオ塔で、
646mとスカイツリー以上の高さを誇って
おりました。
何故過去形なのかというと、この塔は1991年
8月に補修中の作業ミスによって塔を支えて
いた支線のバランスが崩れて、ブッ倒れてしま
ったそうです。ソ連式共産主義の崩壊とほぼ
時を同じくしたのは偶然なのでしょうか?
(↓)世界の塔 高さランキング。1位スカイツリー、以下その他大勢。

その!! 日本が世界に誇るッ!! スカイツリーが曲がり傾いてっているとッツ!!??
―そんなウワサは、建設中から巷間で囁かれておりました。
完成後も、やっぱり曲がってる、いや曲がってない、いやいや曲がってる…と、
じーさんばーさんひーばあさん ひーじいさんはしんじゃった にーさんねーさんパパにママ
オフィスレディーにサラリーマン 白人黒人インド人 あなた旅人ボヘミアン 僕は車掌で君お客
…などなど、各人を巻き込んで喧々囂々の騒ぎとなったとかならなかったとか。
では、ホントにスカイツリーは曲がり傾いているのか???
現場主義、実証主義の取材班。
その取材班は、都内あちこちからスカイツリーを観察し、曲がっているのかいないのかを、
この目で確かめる事にした。
東京で仕事をする上では、あっちこっちからスカイツリーが見える…と思いきや、
意外に見えないんだコレが。と言いつつ、まずは、会社の近所から。
(↓)晴海大橋からのスカイツリー。

曲がっている?と言うより、歪んでる?
(↓)同じく。別の日に撮影。

曲がっている?と言うより、よく見えない。
(↓)千住のあたりから。 隅田川、白鬚橋、スカイツリー。

うーん、すくっと真っ直ぐ立っているような。
(↓)墨田公園から。 

―Oh!! 曲がっているようなッツ、いないようなッツ!!

という訳で、もうとっくの昔にネタバレしてますが、
東京スカイツリーが曲がったり傾いたりして見えるのは
そのデザインから来る、目の錯覚だそうです。
詳しくは省きますが、要は、塔の断面が地上から上に行くに従って
正三角形から円に移行していく上に、日本建築伝統の「起こり(むくり)」や
「反り(そり)」を取り入れた外観の為なのだそうです。
そう言えば、キャ○クラのねーちゃんが、「スカイツリーを見てると酔う」
と言ってましたね~。何となく、視覚と三半規管に違和感を覚えるのは、
皆同じなようです。
実は私、何度もスカイツリーの下は通ってるんですが、一回も上まで
行った事はないんですよね~。
高い所ってのは、そこに登るよりも周りから見る方がいいに決まって
るんですが、そうは言ってもよっぱり一度は上まで行ってみたいとは
思ってます。

―と、
こんな大団円、いや、予定調和で終わっては当ブログの名が廃る!!
(はなから廃ってるが。)
実は、本当に、スカイツリーは曲がって、いや、傾いているのです。
測量法上は。

その一つは、測量法上の頂点の位置が地上の位置とずれて
いることです。
二つ目は、頂点での距離が地上より長くなることです。
測量の基礎知識に基づいて謎解きをしてみます。
測量法で定められた水平(楕円体)面に対して、実際の水平面が
測量法で定められた水平(楕円体)面に対して、実際の水平面が
図に示すように、18秒傾いています。
その結果、測量法による頂点の位置は、次のような計算により
634m×18秒/(60秒×60分×180度/3.14)=0.055m
地表の中心位置から55ミリメートルずれることになります。
「ピサの斜塔」になぞらえれば、
「業平の斜塔」ということになります。
測量法に定められた水平の位置は、楕円体面が基準になっています。
一方、水の流れがない水平面は、図に示す平均海面(ジオイド)で、地球内部の物質の密度の
不均一から生じる凸凹した面です。タワーは平均海面を基準としてつくられます。
(中略)ただしピサの斜塔と異なり、東京スカイツリーの地表から頂点までの中心は地球の重力の
方向とずれていないので、倒れることはありません。」
( ATMSパーク 「業平(なりひら)の斜塔「東京スカイツリー」 さんより)
(↓)蛇足の蛇足で、ピサの斜塔と若かりし日のTO。

やっぱり、スカイツリーは曲がってた!!
―てな訳で、例えばこんなシーンで、こんなふうにこのネタをご使用ください。
夜更けの首都高向島線。ザギンに向かって走る左ハンドルに男と女。車窓にはスカイツリー。
助手席で、ぼんやりとスカイツリーを見ながら、女が呟く。
女「…スカイツリーって、曲がってるとか、傾いてるとかなんだって。知ってた?」
男「…知ってたさ。本当に曲がって傾いてるんだぜ(上記記事を述べる)。
―俺は君の方に傾いて、曲がっているがね…。」
女「うそ(乾いた笑い)。ーどっちに曲がってるんだか…。」
男「今は、(助手席の女を見ながら)右さ…。確かめて、みるかい?」
女「ふふっ…。」
ブロロロロォォォ…