甲府事件の時に「UFOと宇宙」と言う雑誌を採り上げ、そのエキセントリックな記事内容を一部ご紹介しまし
 
たが、その中に、私の心に残る「名体験談」が一つあります。
 
それは、「私は宇宙人の首をすげかえた!!」と言う前代未聞空前絶後抱腹絶倒の体験談です。
 


 
1974年9月2日夜。静岡市在住の長距離トラック・ドライバーのFさん(当時31歳・トラックドライバー歴9年)は、
 
その日、静岡から家具を積んで、四国の高松市に向かって走っておりました。同じ仕事で、月に何度も
 
通る、慣れた道です。
 
当時は瀬戸内海にかかる橋が無かったので、岡山の宇野港からフェリーで高松に渡るのです。
 
順調に路程を消化して、宇野港まであと数キロまで来た国道30号線を走っていると、岩に覆われた峠道で、
 
トラックの前に銀色に輝く物体が現れました。
 
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(↓)着陸する物体(Fさん画)。
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物体は土星型をしており、近くの岩場に
 
着陸。Fさんは記憶がおぼろげになりなが
 
らも吸い寄せられる様にトラックを物体に
 
寄せ、停車しました。物体から現れた髪の
 
長い女性(性別は判らなかったが、髪が
 
長いので女性と思ったそうです)が一言も
 
しゃべらず助手席に座りました。
 
 
女性は頭に角の様な突起を持ち、両目
 
以外はマスクで覆われていると言う奇妙な
 
風貌をしていました。
 
 
すると、突然女性が機械的で奇妙な声で
 
「私は地球に来てからイチルイになるが、
 
頭の調子が悪いので取り替えて欲しい
 
と訴えてきたのです。
 
 
女性は、Fさんに、自分とそっくりおなじ頭部を差し出しました。
 
女性は、「私の首の少し下、それに首と左右の肩の中間あたりの2箇所にボタンが3つあります。そこへこの針金
 
を直線的に通してから首の下のボタンを押すと首がはずれます。そして、かわりに逆の方法でこの交換用の
 
首をつけ替えてほしいのです。」と首のすげかえ方をFさんに教えました。
 
Fさんは、何故か女性の言う通りにしか動けなくなり、怯えながらも言われた通りに首を付け替えてやりました。
 
首は、外した時も取り付けた時もガチャンと音がしました。宇宙人の首が重かったかどうかは、よく憶えていない
 
そうです。
 
 
(↓)首のすげかえを依頼した宇宙人(Fさん画)とFさん。(FさんのモザイクはTOによる。)
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 「私たちは地球を侵略しに来たのではなく、住んでいた星が他の星と衝突してなくなってしまい、その直前に
 
宇宙船に乗った仲間たちだけがこの星に辿り着いて住み着いた」 「今は何処に住んでいるかは言えないが、
 
この星の人々が私たちを理解してくれた時に、私たちの代表がこの星の代表と話し合って、住む場所を決めて
 
もらう」 「私たちの星は僅かな明るさの星で、エネルギーの強いこの星では夜しか活動できない」 「この星に
 
来た当初、この星のエネルギーが強すぎて、私たちの宇宙船が幾つも燃えて落ちた。私たちはエネルギーの
 
弱いところでないと生きていけない」 「宇宙船はひとつあればこの星の全てのものを破壊できる力があるので
 
万が一にも、この星の人たちとは争い事をしたくない」 「私たちは一度あった星の人とは必ずや再び会う事に
 
しています。またいつかは必ずあなたの前へ姿を現します」…
 
 
意識が朦朧としながらも、Fさんは宇宙人と問答をし、ふと我にかえった時には、車はすでにカーフェリー乗り場
 
に近づいておりました。それは、予定通りの時間で、時間的におかしな事ありませんでした…。
 
 
Fさんは以前に、、富山から名古屋に抜ける国道四十一号線のヒダ川と呼ばれている路上で、真夜中の二時
 
だというのに三~四歳の子供が立っているのを見て、あわてふためいて帰って来たこともありましたが、
 
今度のような事は初めてだと言います。
 
 


 
どうでしょう、このトンチンカンな宇宙人接近遭遇は!!
 
トンチンカンにおいては右に出るもののないと思われていた南米系のネタにもここまで訳のわからないものは
 
ありません。
 
 
「明らかにハイウェイ・ヒプノーシス(高速道路催眠現象)だろ?」などと言う懐疑論も、このネタの前には力を持
 
ちません。そんな事はどうだっていい!!
 
 
いいんです。「弱いエネルギーのところでないと生きていけない」とか言いながら、宇宙船ひとつに地球を滅ぼ
 
すエネルギーがあったり…とか、夜しか活動できないんだったら昼間はどこで何してるんだ…とか、首のすげ
 
かえに使うツールが針金かい!!‥・とか、そもそも、仲間がいるんなら、仲間に首をつけかえてもらえよ…
 
とか、そりゃもう、突っ込みどころは満載ですが、
 
いいんです。そんな事はどうだっていい!!
 
 
―そう思えるパワーがこのネタにはみなぎっております。
 
だって、宇宙人の首をすげかえたんですから!!
 
私としては、「介良事件」 「甲府事件」 「仁頃事件」 と並ぶ、日本4大UFO事件に推したいところです。
 
(ちなみに、タイトルの「宇野事件」とは、今回私が勝手に命名しました。)
 


 
「宇野事件」のツボは、実はこの後にあります。
 
夫が遭遇した事件に対して、奥さんはこうコメントしております。
 
「興奮して帰ってきましてね、主人が『おれは今日、宇宙人と話した』とか、『宇宙人の首をすげかえてやった。
 
気がついたらフェリーボート乗り場のすぐ近くまで来ていたんだ』などというもので、いよいよ疲れで
 
頭がおかしくなったのかなと思っていました。突然なことなので、私もそうですが、ふたりの子供も笑って
 
ましたし、まったく聞き流していたんです。(Fさんが編集している社内報にこの事件の記事を載せたら)
 
会社の人も笑ってましてね、私も気がおかしくなったのではと心配していたんです。その他はいつもの
 
主人と変わりません。」
 
 
この支離滅裂な事件に対して、このごく常識的かつ冷静なコメント!!
 
また、嬉しそうに周囲の人に喋くりまくるFさんの姿が見える様で、微笑ましくもあります。
 
Fさん夫妻は、きっと、いい夫婦なんでしょうね~。
 
 
(↓)Fさんご夫妻(モザイクはTOによる)。
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ちなみに、Fさんがもう一度宇宙人に会えたのか?と言う点にも興味津々ですが、
 
「この事件の数力月後に岡山県の三石でトラックを運転中に見たのがそうだと思うのだが、別に話をした
 
わけではありません」とは、Fさんの弁。 会ったんだ、やっぱり(笑)。
 
―宇宙人は、律儀にも、約束を守ったようです…。
 
 
また、Fさんを取材した「UFOと宇宙」の記事は、こう締めくくられております。
 
「これは蛇足だが、この取材にあたって福田さんは静岡市内の病院に交通事故のため入院していた。」
 
寝ぼけてないで、ちゃんと前見て運転しろ、と言う事でしょうか・・・???
 


 
この話は、最初に「UFOと宇宙」に載って、その後ムーにも載ったそうで、本来ならもう少し有名になっても良さそ
 
うなものですが、未だ超マイナーネタに甘んじている様です。あまりのぶっ飛び方に、さしものビリーバーさんた
 
ちもついて行けなかったのでしょうか?しかし、クラリオン星人がどうしたとかウンモ星人がこうしたとか言う話も、
 
馬鹿馬鹿しさでは五十歩百歩だと思うのですが…。
 


(参考)宇野の宇宙人 塩サバ通信 『UFOと宇宙(No.18 1976年6月号)』
 
 
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(←)お盆なんだから、幽霊ネタを出さなくっちゃ…。
 
【2013.8 大幅加筆しました。】