話していると、受話器の向うから『ゴゴゴゴゴ…ガタガタガタ』と凄い音が響き、同時に彼女の悲鳴が響きます。固唾を呑んで聞いていると、轟音は収まり、彼女が息を弾ませながら「凄い地震だったねぇ…部屋の中、滅茶苦茶になっちゃった…。」と言います。
 Aさんの所は地震どころか微動だにしていません。彼女が居るBさんのアパートとはせいぜい10キロ程しか離れていないのに…。念の為テレビを見ても、地震速報等はついぞ流れませんでした。
 そして、最後の恐怖がAさんの身に降りかかります…。