知り合いの女の子から聞いた、彼女のおばあさんの話です。
10年以上前の秋だそうです。おばあさんの住まいの、ほんの目の前の道路で交通事故がありました。直接おばあさんは目撃しませんでしたが、若い女性が車にはねられて亡くなったとの事。
その後事故現場には、親御さんや友人らが足繁く訪れては花を手向けていたそうです。
おばあさんも、雨の日などは花束を取り込み、萎れた花を片付けるなど、ちょっとしたお手伝いをしていました。親御さん達とも顔見知りになったそうです。
ある日、おばあさんが買い物帰りに事故現場を通りかかった時。ふいに、若い女性の囁く様な歌声が聞こえてきました。辺りには人影は無く、また、その歌声はほんの耳元で聞こえていました。その歌は、あるグループが歌う、おばあさんの齢でも耳に馴染んでいるほど流行した歌でした。若い女性が恋人との明るい未来を歌う歌です。おばあさんは、思わず花束に向かって手を合わせたそうです。
数日して、また親御さんが花を供えに来た折、おばあさんは先日の話をした上で、こう言ったそうです。「私は、実家がお寺の関係だから判るのですが、娘さんはまだご成仏されていないのでは…。皆さんがこちらに熱心に通われるので、娘さんの魂もここから離れない様な気がしますが…。」涙ながらに聞いていた親御さんは、「確かにお聞きになった歌声は娘のものだと思います。その歌は、娘の好きだった歌です…。」と言い、もうここに花を置くのは止めましょう、と言い残して帰って行きました。おばあさんは、その時初めて、亡くなった娘さんに婚約者がいた事を聞かされたそうです。
花が置かれなくなってから暫くした後の夜、若い女性がおばあさんの夢枕に立ちました。その女性は美しいコスモスに囲まれながら、一言「ありがとうございました。」とお辞儀すると、微笑みながら消えていったそうです。目覚めたおばあさんは、事故が起きた時も、コスモスが綺麗に咲いていた事を思い出したそうです。
そのおばあさんも数年前に他界されたそうですが、話をしてくれた子は、毎年コスモスの季節になると、その話をしんみりと思い出すそうです。
これは、聞いた時には、余りに綺麗な話だなぁ、と思ったものです。が、ちょっと瞳を潤ませながら話す女の子には、とてもそんな突っ込みを入れられませんでした。しかし、これも全然怖くないですね。もうちょっと恐怖心を煽る様に、表現を勉強します。
話は違いますが、怪談と言うのは、喋ると直ぐに終わりますが、書いて見ると随分長いですね。疲れちゃいます。(なら、やめろよとセルフ突っ込み。)
10年以上前の秋だそうです。おばあさんの住まいの、ほんの目の前の道路で交通事故がありました。直接おばあさんは目撃しませんでしたが、若い女性が車にはねられて亡くなったとの事。
その後事故現場には、親御さんや友人らが足繁く訪れては花を手向けていたそうです。
おばあさんも、雨の日などは花束を取り込み、萎れた花を片付けるなど、ちょっとしたお手伝いをしていました。親御さん達とも顔見知りになったそうです。
ある日、おばあさんが買い物帰りに事故現場を通りかかった時。ふいに、若い女性の囁く様な歌声が聞こえてきました。辺りには人影は無く、また、その歌声はほんの耳元で聞こえていました。その歌は、あるグループが歌う、おばあさんの齢でも耳に馴染んでいるほど流行した歌でした。若い女性が恋人との明るい未来を歌う歌です。おばあさんは、思わず花束に向かって手を合わせたそうです。
数日して、また親御さんが花を供えに来た折、おばあさんは先日の話をした上で、こう言ったそうです。「私は、実家がお寺の関係だから判るのですが、娘さんはまだご成仏されていないのでは…。皆さんがこちらに熱心に通われるので、娘さんの魂もここから離れない様な気がしますが…。」涙ながらに聞いていた親御さんは、「確かにお聞きになった歌声は娘のものだと思います。その歌は、娘の好きだった歌です…。」と言い、もうここに花を置くのは止めましょう、と言い残して帰って行きました。おばあさんは、その時初めて、亡くなった娘さんに婚約者がいた事を聞かされたそうです。
花が置かれなくなってから暫くした後の夜、若い女性がおばあさんの夢枕に立ちました。その女性は美しいコスモスに囲まれながら、一言「ありがとうございました。」とお辞儀すると、微笑みながら消えていったそうです。目覚めたおばあさんは、事故が起きた時も、コスモスが綺麗に咲いていた事を思い出したそうです。
そのおばあさんも数年前に他界されたそうですが、話をしてくれた子は、毎年コスモスの季節になると、その話をしんみりと思い出すそうです。
これは、聞いた時には、余りに綺麗な話だなぁ、と思ったものです。が、ちょっと瞳を潤ませながら話す女の子には、とてもそんな突っ込みを入れられませんでした。しかし、これも全然怖くないですね。もうちょっと恐怖心を煽る様に、表現を勉強します。
話は違いますが、怪談と言うのは、喋ると直ぐに終わりますが、書いて見ると随分長いですね。疲れちゃいます。(なら、やめろよとセルフ突っ込み。)