まだまだ暑い日が続きそうですが
そんな日には「怪談」を
ということで、
「三遊亭圓生 真景累ヶ淵」です。
河出文庫の作品。
去年までは、志の輔師が、この季節
「牡丹灯籠」の全景を聴かせてくれたのですが
昨年でおしまい。
下駄をカランコロンと鳴らしてくる
お露と新三郎の場面が、あまりにも有名ですが
志の輔師は、その前後にまつわるお話を聴かせて
くれました。
「累ヶ淵」と言えば、やはり、按摩の宗悦から
金を借りた殿様が、返済を迫る宗悦を理不尽にも
斬り殺すシーンが有名でしょうが、
そこから始まる因縁話が、みっちり書かれています。
全編ではありませんが、何席かは、圓生師匠の口演聴いて
おりますので、文章を通して、あの流麗な語り口が蘇ってきます。
8話に分かれていますが、ラストの
「聖天山」
この部分は、全く知らなかった。
亡き歌丸師匠が、やはり、この落語を手がけた時に
「聖天山までやらなくては•••」と仰っていたらしい。
聖天山という山で行われる殺害シーン。
クライマックスにふさわしい迫力がありました。
そうそう、豆知識ですが
なぜ「真景」とタイトルに付けたのか。
これ、当時「神経」という言葉が流行っていて、
それのもじりだそうです。