またまた井上喜惟のハチャトゥリアン。交響曲第3番です。シンフォニックポエムというタイトルがついているようですが、ロシア革命30周年を祝って作曲されたとのこと。今は無きソビエト連邦に捧げられた曲ですが、曲調はソ連(ロシア)というより完璧な中央アジア。ハチャトゥリアンはソ連というよりアルメニアの作曲家なんでしょうね(アルメニアのドボルザーク?)。果たしてソ連人(ロシア人)がこの曲を聞いてソ連を讃える曲と感じたのでしょうか。できることにはスターリンの感想を聞いてみたいところです。実際のところアルメニアを讃える曲にしか聞こえませんが。建前上ソ連を讃える曲なんでこんな曲を献呈されたからといって弾圧するわけにはいかなかったのでしょうね。讃える曲には違いないですからね。それにしても旧ソ連ではどんな曲を作っても皮肉なものになってしまうようです。ハチャトゥリアンはアルメニア人でよかった。もしロシア人だったらこんな力一杯の曲は書けなかったかもしれません。
 井上氏の指揮で中央アジアが爆発する響きが堪能できますが、ホールの空席が気になります。演奏者がちょっとかわいそうになってくる熱演です。(爆発が好きな人は29分くらいから最後の一分だけでも聞いてみてください。なかなかのものです。)
http://www.youtube.com/watch?v=2v1B-LoSGN0&feature=relmfu